米国半導体工業会(SIA)は2月3日(米国時間)、2019年の半導体市場が前年比12.1%減の4120億ドルになったこと、ならびに2019年12月単月の半導体市場が前年同月比5.5%減、前月比1.7%減の361億ドルとなり、2019年第4四半期としては前年同期比5.5%減、前四半期比0.9%増の1083億ドルとなったと発表した。これらすべての数値は世界半導体市場統計(WSTS)が集計したデータをもとに、SIAが3か月の移動平均として算出したものとなっている。

  • SIA

    世界の月別半導体売上高と前年同月比増減率推移(単位:10億ドル) (出所:WSTS/SIA)

SIAの社長兼CEOであるJohn Neuffer氏は、「いまだに続く世界的な貿易紛争や製品価格の周期的な変動など、さまざまな要因が相まって、2019年の半導体市場は前年比で12%減少した。2019年下半期に市場はやや回復し、第3四半期から第4四半期にわずかだが売上高が増加したこともあり、2020年も緩やかな成長が見込まれるが、今後数か月にわたる継続的な回復には、自由貿易を促進し、グローバル市場へのオープンアクセスを確保するための政策が必要である。米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の批准と「第1段階」の米中貿易協定への署名は前向きなステップである」と述べている。なお、SIAは、SEMI同様、自由貿易に反するすべての貿易上の規制に反対し続け、ワシントンでロビー活動を行っている。

メモリ市場は大幅な縮小も、その他は小幅な縮小

製品カテゴリ別にみると、2019年の最大市場は半導体メモリとロジックで、その規模はともに1064億ドルであったが、半導体メモリ市場はメモリバブルに沸いた2018年比で32.6%減と大きく規模を縮小させた。半導体メモリの出荷数量そのものはわずかに増加しており、数量が伸びて売り上げが減少したという結果が、メモリ価格の値崩れがいかに大きかったかを示している。

半導体メモリ市場をDRAM、NANDで分けると、DRAM市場は前年度比37.1%減、NANDが同25.9%減とDRAMの方が影響が大きかった。また、半導体メモリを除いた場合、市場規模は同1.7%減にとどまっており、中にはオプトエレクトロニクスのように前年比9.3%増という伸びを見せた製品カテゴリも存在している。

地域別にみると、欧州が前年比7.3%減、中国が同8.7%減、アジア太平洋/その他が同9.0%減、日本が同10.0%減、米州が同23.8%減とすべての地域でマイナス成長となった。また、2019年12月単月で見ても、米州が前月比0.1%増となった以外は日本が同2.0%減、アジア太平洋/その他が2.2%減、ヨーロッパ(同4.5%減、中国が同1.5%減といずれもがマイナス成長を記録するという結果となった。