NECとコアミックス、総合商研、日本地域情報振興協会、フレッシュハーツ、ル・スポールの6社は2月4日、音響定位技術やAR(拡張現実)技術を活用した「空間音響MR(Space Sound Mixed Reality、以下SSMR)」サービス事業を促進するため「SSMRビジネス推進コンソーシアム」を設立したと発表した。
SSMRでは、NECの独自技術である音源を空間に仮想的に固定する音響定位技術を活用し、顔の向きに合わせて一定の方向から音が聞こえるため、周囲のモノから実際に語り掛けられているような効果を演出することができるという。
また、仮想的なエリアの境界を作るジオフェンスを独自ノウハウに基づき設定し、利用者の詳細な位置情報や動きに基づいて音声コンテンツの起動タイミングを制御し、AR映像を組み合わせることで現実世界の風景とバーチャル空間が融合した新たな体験を実現するという。
コンソーシアムでは「いつもの街をテーマパークに」をテーマにSSMRを活用して歴史・文化遺産や観光施設・観光名所などへの集客を促進することで地域の活性化に貢献するほか、企業研修や教育など幅広い分野に展開していく考えだ。
さらに、幹事会社の6社がエリア開拓やコンテンツ調達・制作、サービス運営などの領域をそれぞれサポートするほか、幹事会社は協力して全国各地域のパートナー企業・各種団体の参加とサービス導入・運営を促進し、2020年度中に47都道府県それぞれにおいて1件以上のサービス実現を目指す。
コンソーシアムの取り組み第一弾として、幹事会社であるNEC、ル・スポール、フレッシュハーツを中心に香川県善通寺市の真言宗善通寺派の総本山でもあり、弘法大師空海の御誕生地である善通寺において、サービス実証を2月10日から実施する。
なお、各者の役割としてNECが全体統括、プラットフォーム提供を、ル・スポールがプロモーション、サービス運営を、コアミックスがコンテンツ調達、地域活性化の知見提供を、フレッシュハーツがコンテンツ制作、アプリ制作を、日本地域情報振興協会がエリア開拓、パートナー開拓、地域活性化の知見提供を、総合商研がエリア開拓、パートナー開拓、地域活性化の知見提供をそれぞれ担当する。
善通寺は四国八十八カ所霊場第七十五番札所としても知られ、国史跡「讃岐遍路道」に指定された境内は総面積約4万5000平方メートル。今回の企画では、広大な境内を米国を拠点に活躍するイラストレータのジョセフフォルト氏作画によるお遍路案内キャラクターと楽しみながらまわり、「現代に蘇った空海から人として正しい道を歩むための教えを学ぶ」というコンセプトとなっている。
ナビゲーターの声は善通寺市出身の女優・高畑淳子氏、空海役の声は俳優だけでなく様々な作品のナレーションで活躍する橋爪功氏が担当。実証は2023年の空海誕生1250年を記念した「弘法大師御誕生1250年記念事業」の一環として実施する。