日本オラクルは2月3日次世代クラウド「Oracle Generation 2 Cloud」のデータセンターを大阪に開設し、運用を開始したと発表した。同社は2019年5月に東京リージョンを開設しており、大阪リージョンは日本国内2拠点目となる。
大阪リージョンでも、東京リージョンと同様に、IaaS、PaaS、SaaSとすべてのOracle Cloudのサービスを提供する。
執行役 最高経営責任者(CEO)のケネス・ヨハンセン氏は、「日本の企業は可用性とコンプライアンスに準拠することを求めるが、それには日本国内でデータを管理する必要がある。そこで今回、大阪リージョンが開設することで。日本の企業がミッションクリティカルなワークロードを2つのリージョンで運用できるようにした」と語った。
続いて、執行役員 クラウド事業戦略統括 竹爪慎治氏が、Oracle Generation 2 Cloudについて説明した。同氏は、Oracle Generation 2 Cloudの特徴として、「テクノロジーと価格」「クラウド・セキュリティ」「データ・プラットフォーム」を挙げた。
Oracle Generation 2 Cloudは、従来のクラウドの課題を解決するため、アーキテクチャから再構築されている。これにより、パフォーマンスの向上と価格の低減を実現しているという。中でも、ブロックストレージはパフォーマンスが525%向上している一方、価格は97%低減しており、コストパフォーマンスの高さは群を抜いている。
さらに、竹爪氏は「リージョンによって価格が異なるクラウドサービス・プロバイダーもあるが、われわれはすべてのリージョンで価格が統一されている」と述べた。
Oracle Generation 2 Cloudのアーキテクチャは、セキュリティが重視されているのも特徴の1つだ。竹爪氏は、「セキュリティに関しては、データ中心であることが最大の特徴。データベースのセキュリティではなく、データを保護するために、さまざまな機能を提供している」と語った。
加えて、デフォルトで暗号化が行われているほか、各ユーザーのテナントが分離されているため、同一のインスタンスに他のユーザーの環境が構築されていることはない。
さらに、人手による保護の漏れを防ぐため、パッチの管理など、管理が自動化されている。
データ・プラットフォームに関しては、他社のクラウドがマルチ・データベースであるのに対し、Oracleはシングル・データベースであることが強みとなる。「マルチ・データベースの環境では、データの断片化、アプリケーションの複雑化といった問題が生じ、企業が必要とする性能やセキュリティを担保できなくなる。海外では、こうした課題を解決するため、他社のクラウドからOracle Generation 2 Cloudに乗り換える企業が増えている」と竹爪氏は説明した。
竹爪氏は、大阪リージョンのユースケースとして、「ミッションクリティカルなDR(ディザスタ・リカバリ)の構成」「西日本地域の公共と公益」「西日本地域のビジネス」を挙げた。「公共・公益」に関しては、特に電気・ガスといった社会インフラを提供している企業に注目しているという。
「社会インフラを提供している企業はセキュリティに厳しい。だからこそ、Oracle Generation 2 Cloudであれば、オンプレミスと同等のセキュリティのレベルで、同じことができると訴求したい。社会インフラ企業はクラウドサービスを活用することで、消費者に対し、新たなサービスを提供することが可能になる」(竹爪氏)
既に、エディオン、ソフトマックス、ファイテンが大阪リージョンの採用を表明している。エディオンはこれまで「Oracle Exadata」を利用していたが、東京、大阪と2つのリ-ジョンを用いて「Oracle Cloud」に移行するという。