SK Hynixが1月31日に発表した2019年通期決算概要によると、売上高は前年比33%減の26兆9910億ウォン、営業利益は同87%減の2兆7130億ウォンとなった。また2019年第4四半期(10~12月期)の決算概要は、売上高が前年同期比30%減、前四半期比1%増の6兆9270億ウォンとなったものの、営業利益は前年同期比95%減、前四半期比50%減の2360億ウォンと、マイナス成長が続いており、回復の兆しが見えない状況に陥っている。
同社は、通期の売上高が前年比33%減少した理由を「変化する市場状況に対応するため、投資と生産レベルの両方を積極的に調整して、ビジネス管理の効率を最大化しようとしたが、世界経済の不確実性が高まる中、顧客側の在庫増加と保守的な購買政策の強まりにより、需要の低下と価格の下落が同時に生じたため」と説明している。また第4四半期に関しては「需要回復に積極的に対応したため、売上高は前四半期比で1%の増加となったものの、営業利益は、需要の増加に対応するために拡大した製品群の利益率が低かったためと、新技術移行のコスト負担により、前四半期比50%減と落ち込んだ」と説明している。同社は利益率の低い汎用メモリの比率が多く、売上高は増えたにもかかわらず利益が半減するという結果をもたらしたという。
2019年第4四半期のDRAMビット出荷数量は前四半期比で8%増加したものの、平均販売価格は7%の下落となった。一方のNANDのビット出荷数量は同10%増となり、平均販売価格も安定していたという。
SK Hynixは2020年の生産計画について、慎重に検討をしていくとしており、設備投資の減額を示唆。DRAMについては、DDR5などの成長が期待される市場に注力する予定で、2020年内に1Z nm製品の量産を開始するとしている。一方のNANDについては、96層製品とSSDの販売割合を継続的に増やすとともに、2020年内からの128層製品の量産開始を予定し、より大きな記憶容量を必要とする分野へ売り込みをかけることで、売り上げの拡大を目指すとしている。
なお同社は、5Gがらみでクラウドや基地局のデータセンタ向けやハイエンドスマートフォン向けメモリの需要が2020年に増加することに期待をかけている。