デルとEMCジャパンは1月31日、2019年12月に全国の中小企業(従業員1~99人)のIT担当者1035人に対して実施した独自の調査結果を発表した。これによると、中小企業におけるIT担当者を取り巻く環境や働き方改革の実態、働き方改革を推進する上でのIT環境への取り組み状況などが明らかになったほか、中小企業におけるWindows10への移行状況、移行の際の不安についても明らかになったという。
今回の調査では、全国の中小企業(1名~99名の企業)に勤める25~69歳の男女1035人を対象に昨年12月5日~同7日まで行い、有効回答数は4万サンプル。
調査結果によると、従業員99人以下の企業の9割以上のIT管理者は他の業務との兼任をしており、58%の担当者はIT管理に割ける時間はわずか1割ということが判明したほか、ITに関する知識レベルは「少しある(パソコンのカタログを見て機能・性能を理解できる)」と答えた回答者が40%と最も多い一方で、「十分にIT知識がある」と回答した人は9%となった。
また「働き方改革を実施/部分的に実施している」と回答した中小企業は38%、「実施していない」が半数以上(53%)にのぼった。実施企業では働き方改革として「有給休暇取得の促進」が67%、「時間外労働の是正」が47%という結果になり、働き改革を実現するために必要なIT環境として回答者の多くがノートパソコン(48%)、デスクトップパソコン(33%)、タブレット(27%)といったハードウェア端末の整備による生産性の向上を選択した。
さらに、中小企業におけるWindows 10への移行状況については、Windows 10への移行を完了しているのは、わずか56%、現在移行中(15%)を含めても71%という結果となり、移行に未着手だとの回答者が約25%にのぼり、2020年1月のWindows 7サポート終了時点において、中小企業におけるWindows 10への移行に遅れが出ている状況が明らかに。加えて「特に移行を考えていない」と答えた回答者に理由を聞いたところ、56%が「必要性を感じていない」と回答しており、セキュリティ面での知識不足がうかがえる結果となった。
Windows 10への移行方法については、中小企業の半数以上が「パソコンの買い替え」と回答し、OSアップグレードとパソコンの買い替えの併用も含めると約7割にのぼり、1~9人の企業での移行状況は「完了済み」と「現在移行中」をあわせてもいまだ66%で、10~99人の企業が76%という結果と比較しても遅れている状況が明らかになった。理由としては「データ・ソフトなどの移行」が22%、「予算」が22%の理由と判明した。
働き方改革によるIT環境の整備やWindows 10への移行などにより、IT担当者としての「業務の負担が増えていると感じている」との質問には、約4割となる39%が「とてもそう思う」あるいは「そう思う」と回答。他の業務と掛け持ちでIT管理をする担当者が多い中小企業において、負担が高まっている傾向にあるという。
そのほか、パソコンを買い替える際、古いパソコンの処分方法について尋ねたところ「そのまま持っておく(32%)」に続き、31%が「業者の無料回収」と回答し、そのまま持っておく理由として情報漏洩への不安や費用の問題に加え、「処分の方法が分からないから」が20%とパソコンの廃棄に際してもさまざまな課題が明らかになった。