ダイキン工業は1月31日、eラーニングを活用したAI人材の育成、ビジネスへのAI活用支援事業を展開する東京大学発のスタートアップ企業であるアイデミーが実施した第三者割当増資を引き受け、約1億円を出資したと発表した。今回の出資は、アイデミーと中長期的に安定した協業関係を構築し、ダイキン工業のAI人材の育成を強化するとともに、AIを活用した新たなソリューションの創出を目的とするものとなる。

ダイキン工業は、アイデミーと2019年1月から協業に取り組んでおり、ダイキン情報技術大学を中心に新入社員、一般社員、管理職を対象にAI人材育成のためにアイデミーが提供するeラーニングプログラムを活用している。

また、ダイキン工業が異業種の他企業と共同で運営しているコワーキングスペース「point 0 marunouchi(ポイントゼロマルノウチ)」での実証実験から得られたデータを基にオフィスの生産性向上につなげるAI活用ソリューションを検討するなど、さまざまな部門が保有するデータの活用に取り組んでおり、今回の出資により、アイデミーと強固なパートナーシップを構築していく。

ダイキン工業は社内外の技術、知恵を融合するオープンイノベーションを推進するため、大学や企業と積極的に連携をしており、2018年には東京大学と産学協創協定を締結し、協創プログラムの1つとして「ベンチャー企業との協業を通じた新たな価値の社会実装」を掲げている。

アイデミーとの協業は東京大学との提携をきっかけにスタートしたほか、2019年11月にはスタートアップ企業との協業を推進する組織「テクノロジー・イノベーションセンター CVC室」を設立。世界のスタートアップ企業を対象に2024年までの5年間で110億円の出資枠を設定しており、アイデミーへの出資はこの出資枠を活用したものとなる。