2020年1月15日~17日にかけて東京ビッグサイトにて開催された「第12回 オートモーティブテクノロジー展(オートモーティブワールド2020)」において、Cypress Semiconductorの日本法人であるサイプレス セミコンダクタは、自動車でUSB-PDの利用を可能とするソリューションの紹介などを行っていた。
このオートモーティブ向けUSB Type-C PDソリューションは同社のUSB Type-C PDコントローラ「EZ-PD CCG3PA」を用いたもので、100W×2もしくは60W×2の評価ボードによるデモが披露されていた。1ポートにしてロードシェアをすることで、最大200Wの供給も可能だという。また、Cortex-M0を搭載しており、工夫次第ではさまざまなコントロールもできる可能性もあるとしている。
セキュア機能を搭載したNOR/FRAM
また、同社はNORやFRAMにセキュア機能を搭載した製品の紹介も行っていた。特にFRAMは「Excelon Ultra F-RAM Memoryファミリ」として、2020年内にリリースする予定だとしており、デモではドライブレコーダーの録画データを衝突の1.5秒前からロックをかけてアクセスができないようにできることが示されていた(録画時間はメモリ容量や画質などにより変化)。
さらに、セキュアマイコンとして、FOTA(Firmware On-The-Air)を安全に行うことが可能な「Traveo II」の紹介も行っていた。ここで同社が言うセキュアなFOTAとは、ファームウェアをダウンロードした際に、それが正しいものであるかどうかを事前にチェックを行い、認証されたものであればそれを実行するといったことを可能とする機能。内蔵フラッシュを2つに分けて、半分でアップデートを行い、残り半分を残すといった使い方も可能だという。
Wi-Fiオーディオは自動車で普及するのか?
このほか同社ブースでは車室内のオーディオ/ビジュアルコンテンツ向けにWi-FiならびにWi-Fi/Bluetoothコンボチップによるデモも披露されていた。
具体的には前方のダッシュボード部分にオーディオ機器を配置、後部座席に向けて802.11ac(使ったチップはコンボチップの「CYW43455」)でオーディオストリーミングを行うというもの。通常のWi-Fiであれば、5.1chのサラウンドなどではシンクロできないが、同社ではチップレベルで遅延を抑えることができる技術を有しており、見事に同期がとれている様子を披露していた。