イッツ・コミュニケーションズ(イッツコム)は1月29日、日本IBMの提供するIBM Cloud上でIBM WatsonのAI技術を活用したAIオペレーター支援システムを導入し、イッツコムのサービス機器の接続や設定、不具合などの技術的な問い合わせ窓口となる「テクニカルサポートセンター」において本格運用を開始したと発表した。

イッツコムでは提供するテレビ、インターネット、電話、IoT(スマートホーム)などの多岐にわたるサービスの技術的な問い合わせ応対において、オペレーターの離職、ベテランオペレーターのノウハウの引き継ぎ、顧客の応対品質を管理する管理者のオペレーターへのフィードバック業務の負荷増大が課題になっていたという。

そこで、通話・保留・事後処理にかかる時間の短縮や、リアルタイムモニタリングによる業務の効率化、通話ログ聞き起こし・応対内容のレポート作成時間の削減、新人教育研修時間の短縮などに寄与するシステムが求められていたという。

AIオペレーター支援システムは、IBM Watsonの「Speech to Text」(電話や音声ファイルから取得できる音声データをテキストデータに変換するAPI)を活用して音声をテキスト化し、Watson DiscoveryのAI検索エンジンで会話ログから最適コンテンツを検索。また、利用者(オペレーター・管理者)が容易に操作可能な問い合わせの会話文とFAQの関連度を強化する機械学習画面も実装している。

  • 項目の一例(オペレーター利用画面)

    項目の一例(オペレーター利用画面)

これにより、オペレーターは一通話ごとにAIの自動通話品質フィードバック(応対品質向上)やAIで通話を音声認識し回答候補の自動検索(回答精度向上)、通話テキストを用いて自分の通話の振り返り学習(応対品質向上)が可能となる。

さらに、管理者などはオペレーターの応対品質評価レポートを自動生成し、オペレーターの経験やスキルに応じた評価することにより応対品質の向上が可能なことに加え、オペレーターの声をナレッジ(マニュアルや FAQ)へリアルタイムに反映することが可能とし、リアルタイムモニタリング機能で早期にオペレーターをフォローすることができる。

  • オペレーターの応対品質評価レポートのイメージ

    オペレーターの応対品質評価レポートのイメージ

加えて、個々のオペレーターの応答品質評価レポートの自動生成による管理者の業務効率化、オペレーターの離職率低減による受電率の維持、キーワード検索による入電傾向、顧客の声収集、業務効率化による新たな顧客対応への取り組みの強化が可能だという。