2020年1月15日~17日にかけて東京ビッグサイトにて開催された「第12回 オートモーティブテクノロジー展(オートモーティブワールド2020)」において、Infineon Technologiesの日本法人であるインフィニオン・テクノロジーは、車室内モニタリングに向けたさまざまなセンサソリューションを紹介していた。

中でも注目を集めていたのは開発中という60GHz帯を用いたレーダー。最大7GHzという広帯域なレーダー技術で、3列シートのどの席にどういった人が座っているかを把握することができるほか、物体を透過できるため、イメージセンサでは見えない座席の裏の下まで見通すことができる。また、高分解能により、微細な振動を把握、人の呼吸なのか、単なるモノが走行の振動の影響を受けているのか、といったことを見分けることもできる。

これは、欧州の自動車安全テスト「Euro NCAP」が2022年に試験項目として追加する「Child Presence Detection(幼児置き去り検知)」を意識したもの。デモとしては、60GHzレーダーのほか、3D ToFイメージセンサ、MEMSマイク、CO2センサの組み合わせなどが紹介されていた。

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  • 車室内モニタリングに向けたToFイメージセンサを用いたデモとMEMSマイクの車載向け開発品。MEMSマイクそのものは現在、民生向けをベースとしているが、パートナーのホシデンがベアダイからモジュール化、評価まで一貫して行い、車載利用に耐えうる性能を確認して提供していくことを予定しているとのこと

このほか、同社は電動パワーステアリング(EPS)のシステムを冗長化させることで、安全な走行を可能にするフェイルオペレーション対応アプリケーションのデモも行っていた。これは冗長系として2系統のチップセット群を用意することで、それぞれのマイコンが50:50で稼働し、片方が壊れると、緊急退避モードとして、安全な場所に停車するまで動作し、それ以降の動作をできなくするようにしたもの。EPSのほかにも電動ブレーキブースターやモーター制御などにも応用が期待できるという。

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    フェイルオペレーションに対応する冗長アプリケーションのデモボード。ボード上にはAURIXマイコン、3相ドライバIC、MOSFET、磁気センサ、システム電源IC、通信ICが2つずつ搭載され、両方とも正常動作しないと、ステアリングとして通常利用をさせずに緊急モードに移行するといったことができるようになる

さらに同社ではパワーMOSFETの基板への埋め込み技術の紹介も行っていた。多層プリント基板にICや受動素子を埋め込む技術そのものは部品内蔵基板として古くから日本でも知られてきた。同社はパワーMOSFETを埋め込もうという試みを進めており、現在開発中としていた。

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  • 開発中のパワーMOSFETの基板埋め込み技術のデモボードとMOSFETのパッケージ