米MicroStrategy及び日本法人のマイクロストラテジー・ジャパンは1月27日、「トップ10トレンド エンタープライズプライズアナリティクス2020」を発表した。同レポートは、AI(人工知能)、モバイル インテリジェンス、データとデータソースの激増、データやアナリティクス関連の予測される人材不足など、各種切り口からのトレンドと洞察を含む内容だという。
同レポートは、フォレスター、IDC、Constellation リサーチ、Ventanaリサーチなどのリーディングアナリストやインフルエンサーたちとの協業で編集したといい、10点のアナリティクストレンドを選出している。
ディープラーニングが、競争優位をもたらす
ディープラーニングについては、注目点がより実務レベルへ向かうという。人間の行動を理解し予測する実用的なディープラーニングの登場は、競合他社にインテリジェンスを用いていかに対応するかにおいて、強力なディスラプターになるとのこと。
AutoMLが、データサイエンティストの取り組みのROIを高める
AutoMLに関して、機械学習は近年最も進化しているテクノロジーの1つであり、機械学習を用いた開発の需要が指数関数的に増えているという。 急激な機械学習ソリューションの増加は、専門知識が無くてもすぐに利用できる機械学習モデルへの需要を生み出しているとしている。
セマンティックグラフが、ビジネス価値の提供で最重要のものとなる
セマンティックグラフは、データランドスケープにおけるデータとデータアナリティクスを支えるバックボーンになるという。セマンティックグラフを利用していない組織は、複雑性と組織コストの増大によりアナリティクス投資のROIが急落するリスクがあると、同レポートでは指摘している。
データ量の増加に伴い、人による洞察がより重要となる
データ量の増加と人による洞察に関して、ナレッジワーカーがデータを利用した仕事に慣れれば慣れるほど、彼らはデータエスノグラフィーに精通していくべきだという。 データが何と関連しているのか学び、どういう文脈で集められ、またデータ単体では全体像を描けないかもしれないことも理解すべきだとのこと。
次世代の組み込みアナリティスクが、洞察を得るまでの時間を短縮する
次世代の組み込みアナリティスクについて、特定のアプリケーションのインターフェイス上に文脈に応じた簡潔なアナリティクスを配信すれば、より迅速な意思決定が行えるとしている。 簡潔で文脈に応じる組み込みアナリティクスの装備には時間を要する一方で、コード不要またはわずかなコーディングで開発できる手法の進化により、次世代型の組み込みアナリティクスの採用が表れてきているという。
データソース結合の需要は、引き続き拡大する
データソース結合の需要に関して、データの多様化に引き続き注視する必要性を指摘した上で、データとアナリティクスのための単一で標準化したプラットフォームに、複数のツールからアクセスできる環境を持つ組織は少ないとしている。 データソースを組み合わせたいというニーズは、拡大の一途をたどっているとのことだ。
データに基づいたスキルアップを、企業が求め始める
データに基づいたスキルアップについて、エンタープライズ組織は、データドリブンな意思決定の必要性の拡大と有能な人材の不足に備えて、トップクラスのアナリティクス人材の採用への注力に加えて、現社員の研修・再教育やスキルアップにも注力するべきだと同レポートは指摘している。
AIはリアルであり準備できている
AIについては、2020年にはさらに多くのCDAO(Chief Data/Analytics Officer)やCIOたちが、データサイエンスチームが求めるデータを用意できるように取り計らい、70%、80%あるいは90%の時間をAIモデル構築に注力できるようになるという。
モバイルインテリジェンスは、2020年以降も進化し続ける
モバイルインテリジェンスに関して、半数の組織は自らのモバイルデバイスの活用を再検討し、モバイルテクノロジーが、十分に社員のニーズに応えられていないとの結論を導くという。そして、より良いワークエクスペリエンスや組織内や顧客との効果的な接続性をもたらし、次世代のモバイルアプリケーションを求めるとのこと。
顧客体験マネジメントにAIが装備される
顧客体験マネジメントへのAI装備について、アプリケーションはビジネスプロセスごとに分解され、頭部の無いマイクロサービス化されていくという。 自動化やインテリジェンスが、大規模なマスパーソナリゼーションや効率性向上をもたらすとのこと。インテリジェントエンタープライズは、状況をデータで把握し最適なアクションを取るだろうと同レポートでは予測している。