東京ビッグサイト青海展示棟で開催していたDOCOMO Open House 2020。NTTドコモとパートナー企業は、今春に東京ビッグサイト青海展示棟で開催していたDOCOMO Open House 2020。NTTドコモとパートナー企業は、今春にサービスが開始される5G、AI、IoTなどの最新サービスやソリューションを展示するイベントでは"ようこそ、5Gワールドへ。そしてその先へ。"と銘打ち5Gを全面に押し出している。今回は、それら5G関連の展示の中でもスマートシティをテーマに展示されていた展示品のデモとその内容をレポートしよう。
最初にレポートするのが、VRソリューションを提供するABALの「多層空間型VRプラットフォーム」だ。このソリューションは、VRでマンションのような6階層の空間を創出。利用者は、この空間をバーチャルのエレベーターを使って移動し、それぞれの空間を楽しめる。
空間は、1階がロビーで、2階がVRトレーニングルーム、3階が世界的なフェス「TOMORROWLAND」のイベント体験ルーム、4階が狂言師 野村万作による「栗焼」の演目鑑賞、5階はVRストアー「VR POP-UP Store By "ADASTRIA"」で疑似ショッピングが体験できる。
技術のポイントは、同一空間で複数の人間で情報や体験を共有できるシステム、中でも立体構造でも違う階層にいる人とぶつからず行動できるゴースト処理技術がさらなる活用の幅の広がりを感じさせてくれる。
次に紹介するのが、ソニーとヤマハ発動機が共同開発のニューコンセプトカート「SC-1」を、展示会場と札幌市の商業施設サッポロファクトリーとの間で5G通信を活用して遠隔で動かす実証実験のデモだ。この実証実験は、商業施設を運営するサッポロ不動産開発とNTTコミュニケーション、ソニーの協力で行われた。
5Gを活用したSC-1の遠隔操作とドコモが運営するクラウド「ドコモオープンイノベーションクラウド」を通してSC-1に設置したデジタルサイネージに広告を配信するソリューション。この技術を活用して、5G通信とモビリティに設置したサイネージとのカメラを活用したリアルタイム広告配信の実現を目指すという。
遠隔操作を使ったソリューションでもう一つピックアップしておきたいのが、ANAのアバタープラットフォーム「avatar-in(アバターイン)」。これは、ポールにスマートフォンを付けたような特徴的なロボット「newme(ニューミー)」を使って疑似的な旅を体験できるソリューションだ。5G通信による高画質映像と操作性の向上により、現場に"瞬間移動"、まるで見て聞いているような体験を味わえる。
同社では、オリンピックを見据えて今後「newme」を空港だけでなく、水族館などの観光地などにも設置し、普及を図る予定。また、「avatar-in」だけで利用できる店舗も用意、実証実験も行っている。
遠隔操作ではないがAIと5Gを活用した新しい遠隔監視ソリューションとして、セコムとAGC、DeNAのコラボレーションの「バーチャル警備システム」も紹介しておきたい。このソリューションは、通常はミラーディスプレイにAIを実装したバーチャル警備員を表示して、受付や案内役を担うが遠隔地との間で5G通信を行い緊急事態が発生すれば、近くに常駐する警備員が連携して事態に対処するというもの。バーチャル警備員は、AIを活用し人の動きに合わせて目線を変化させ、あたかも本当の警備員がいるかのような抑止効果が得られるという。
紹介できたのはごく一部で他にも興味深い5G関連のサービスが多数展示されていた。
5Gでは同じ時間内に飛び交う情報が格段に増えるという。体感しないと、なかなかそのすごさがわからないものだが、「DOCOMO Open House」に展示されていた数々のソリューションのデモンストレーションを見て、情報伝達量の増加が日常のシーンを変えていく未来を垣間見ることができた。これらが日常に溢れる世界はもうすぐそこに迫っている。