厚生労働省は24日、中国・湖北省武漢市から日本に観光で来ていた40代の男性が新型コロナウイルスに感染して新型肺炎を発症したことを確認した、と発表した。国内で感染者が確認されたのは2例目。同省によると同日午前の時点で中国国内では感染者は800人を超え、死者も26人になるなど急速に感染が拡大している。また、世界保健機関(WHO)は緊急事態宣言を当面見送ったものの、各国に警戒態勢の継続を呼びかけている。

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    中国・湖北省武漢市の地図(厚生労働省提供)

厚生労働省によると、新たに感染が確認された男性は14日に発熱しながら19日に来日。その際、空港での検疫所の検査には引っかからず、通過、入国したとみられる。その後も発熱などが続いたため22日に受診した都内の医療機関で肺炎と診断され、別の医療機関に入院した。国立感染症研究所で検体を調べた結果、新型コロナウイルスに陽性と判明。同研究所が24日未明に同省に報告した。15日夜には武漢市から6日に帰国した30代の中国人男性が新型コロナウイルスに感染したことが判明していた。

日本国内で感染2例目が出たことを受けて政府は24日午前、関係閣僚会議を開き安倍晋三首相は、検疫所での水際対策など、感染拡大阻止策を関係省庁に指示した。中国の春節の連休が同日から始まり、中国から日本への旅行者も増えるとみられており、入国の際の検疫体制を強化している。

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    24日午前開かれた新型肺炎対策に関する関係閣僚会議(首相官邸提供)

また厚生労働省によると、WHOは22日と23日にスイス・ジュネーブの本部で感染症の専門家らによる緊急委員会を開催したが、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に該当するとの結論には至らず、宣言を当面見送ることを決めた。中国のほか、日本やタイ、韓国、米国、シンガポールなどでも中国からの入国者の感染が確認されているが、中国国外で「人から人への感染」が見つかっていないことなどがその理由。宣言を出すかどうかについては、意見が分かれたという。WHOは中国のほか世界的な感染の広がりの有無を注視し、各国に警戒態勢の継続を呼びかけている。

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    スイス・ジュネーブにあるWHO本部(WHO提供)

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