NTTPCコミュニケーションズは1月23日、NTTドコモが提供するドコモ5Gオープンパートナープログラムに参画し、 5GネットワークとSD-WAN技術との組み合わせによる相乗効果を確認するため実証実験を行ったと発表した。
同社はSD-WANのサービスとして「Master’sONE CloudWAN」を提供しているが、第二サービスクリエーション部の進藤宙氏は、「5GネットワークとCloudWANサービスを組み合わせることで、従来のネットワークの課題だった固定回線敷設時のリードタイムの長期化や無線回線利用時の帯域不足を解決することができる。5Gを使うことで、VoIPやテレビ電話など、固定回線でしかできなかったことを実現できるようになる」と説明した。
CloudWANはGUIベースの管理ツールを提供しており、ソフトウェアや宅内装置を一元管理できるほか、設定の追加や変更はユーザーが数分で行えるという。
今回、ドコモの「5Gプレサービス」環境とNTTPCバックボーンネットワークをダイレクト接続することにより、5Gネットワークの特性である高速と低遅延を生かすとともに、柔軟に設定変更可能な閉域ネットワーク環境を構築した。
実証実験では、一般企業向けのユースケースとして、「5Gネットワークを介したSD-WAN通信トンネル確立」「SD-WAN/5G回線環境における一般企業ユーザーのセンター拠点相当を経由した業務通信」「固定回線のバックアップ用途として、5G回線への自動切替」について検証を実施した。
第二サービスクリエーション部の進藤宙氏は、5Gネットワークを介してSD-WAN通信トンネルを確立できたことで、「インターネットを介さずに閉域ネットワーク経由でアクセスが可能になり、店舗や工場などの固定回線が敷設しづらい環境からの社内アクセスを実現できる」と説明した。
また、インターネット向けのOffice 365(OneDrive、Microsoft Teams)、センター拠点へのリモートデスクトップも利用できることも確認された。「Teamsを利用した際は、画面表示も安定しており、音声の遅延もなかった」(進藤氏)という。
今後、5GネットワークとSD-WANを組み合わせることで、「高速、低遅延NWを介したセキュアな双方向通信(遠隔診察、商取引などに適したネットワーク )」「エンドポイントでのデータ処理と映像配信」「デリバリー&ハードウェアマネジメント(多接続を管理運⽤する、サービス事業者向け管理機能)」といった形で具現化することを目指すとしている。