シャープは1月22日、都内で記者会見を開き、マイクロソフトが定めるビジネス用途向けInteractive Whiteboard(電子黒板)の規格「Windows collaboration display」の認証を業界で初めて取得した70V型4Kタッチディスプレイ「PN-CD701」の日本における販売を3月から開始すると発表した。市場想定価格は税別で103万円となり、当初の月産台数は国内・海外含めて1000台。
新製品は、Windows 10搭載パソコンと接続することで、マイクロソフトのクラウドサービス「Office 365」と連携し、「Microsoft Whiteboard」などのアプリケーションも大画面で活用できるほか、カメラやマイクを標準搭載しているため「Microsoft Teams」を用いてテレビ会議などにも対応している。
シャープ ビジネスソリューション事業本部 ビジュアルソリューション事業部 事業部長の山本信介氏は「タッチディスプレイ(ビジネス向けと教育向け)の市場は2020年において180万台となり、2023年には220万台が見込まれており、ビジネス向けは2020年~2023年の成長率は70%となっている。今後、タッチディスプレイはテレワークやモバイルワークにより、いつでもどこでも自由にコミュニケーションできることが望まれており、クラウドの活用を前提に設計されものが浸透していくと予測している」と述べた。
また、大画面70V型の4K液晶パネルを搭載し、図表やデザイン画などの詳細な文字や線を鮮明に表示することに加え、静電容量方式のタッチパネルにより、快適なタッチ操作を可能としている。
主な特徴として、「Windows collaboration displayの認証取得」「Office 365との連携」「大画面70V型・高精細4K液晶パネル搭載」の3点を挙げている。
Windows collaboration displayはマイクロソフトが定めるビジネス用途向けのInteractive Whiteboard(電子黒板)の規格であり、Windows 10搭載パソコンと接続し、クラウドサービスと連携する。2018年にコンセプトを発表しており、2019年10月に欧州で販売を開始している。
Office 365との連携については「PowerPoint」によるプレゼンテーションやMicrosoft Whiteboardを活用したディスカッションなど、多彩なアプリケーションを大画面で活用できるほか、USB Type-Cケーブル1本でパソコンと接続し、新製品でパソコン画面を映し出したり、本機のタッチパネルでパソコンを操作したりできることに加え、パソコンへの電源供給も行える。
また、8m長のUSB Type-Cケーブルを同梱しており、ディスプレイ下部に搭載したWindowsボタンで、ホーム画面や接続したパソコンのデスクトップ画面をワンタッチで表示でき、電源や音量、入力切り替えなどの操作ボタンも本体前面に配置することで、高い操作性を実現しているという。さらに、カメラやマイク、スピーカーを標準搭載し、Microsoft Teamsを用いて遠隔地とのテレビ会議をすぐに開始でき、エコーやノイズの少ないクリアな音質で会話を可能としている。
大画面70V型・高精細4K液晶パネルに関しては、ルハイビジョン(2K)の4倍の解像度で図表やデザイン画などの微細な文字や線を鮮明に表示でき、静電容量方式のタッチパネルのため、滑らかで快適なタッチ操作を可能としている。加えて、同梱のペン先2mmのタッチペンで細かな文字や線もスムーズに書き込め、ペンデジタイザー入力に対応し、接続時にはペンによるタッチか指によるタッチかを自動的に判別することから、入力モード切り替えの手間がなく、スムーズな操作ができるほか、液晶パネルと保護ガラスの間に空気層がない「ダイレクトボンディング構造」を採用。
そのほか、人の動きを感知するモーションセンサを搭載し、新製品に近づくと自動的にスリープ状態から復帰し、すぐに利用開始が可能。また、温度や湿、照度のほか、二酸化炭素濃度などを計測するIoTセンサを搭載し、計測したデータは新製品の画面で確認でき、今後はIoTセンサの計測データを活用したクラウドサービスの展開を検討していく。
米マイクロソフト チャネルエグゼクティブ グローバルデバイスパートナー部門のパトリック・ブーヴェ氏は「世界中の両社の客に対して、マイクロソフトの現場チームと、シャープさんの営業・マーケティングチームが連携してアプローチしている」と述べていた。