サッポロ不動産開発、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)、NTTドコモの3社は1月21日、サッポロ不動産開発が所有する北海道札幌市のサッポロファクトリーで第5世代移動通信方式(5G)を使用して、ソニーが開発したニューコンセプトカートである「SC-1」を使った実証実験を1月22日と23日の両日に実施すると発表した。

  • 動画広告の配信イメージ

    動画広告の配信イメージ

今回の実証実験では、遠隔運転で動くSC-1に店舗の動画広告を配信する。5Gプレサービスエリア内において営業時間内の複合商業施設で、ドコモオープンイノベーションクラウドを用いたSC-1の遠隔運転のほか、デジタルサイネージでの店舗広告の配信を行う5G実証実験は、ドコモによると全国初の取り組みという。

あわせて、NTT Comの人流解析ソリューションで広告効果の測定を行い、実証実験を通じて複合商業施設への5G展開とその活用法の創出を目指す。カートを遠隔運転する時間帯は、午前1回、午後2回でそれぞれ30分程度を予定している。

なお、実証実験の当日には会場のサッポロファクトリーに5Gの可搬型移動基地局を設置し、5Gのプレサービスエリア化を行う。

  • 実証実験のイメージ

今回の実証実験では、5Gの高速大容量の特性を活かし、SC-1を動くデジタルサイネージとして3点の検証を行う。まず、ドコモオープンイノベーションクラウドに格納したサッポロファクトリー内テナント店舗の広告映像などを、サッポロファクトリー内を回遊するSC-1にリアルタイム配信する。続いて、東京都内で開催する「DOCOMO Open House 2020」の会場からSC-1を遠隔運転し、施設内のビーコンで得た来場者の匿名位置情報による人流解析と広告効果測定を実施する。

各社の役割として、サッポロ不動産開発はテナント店舗の広告配信における調整及び、人流解析システム導入調査を、NTT Comは人流解析ソリューションの提供、広告効果測定、測定結果フィードバックを、ドコモは全体のシステム構築と運用、5G設備・技術・商材の提供、ドコモオープンイノベーションクラウドの提供、サービス化に向けた検討を、それぞれ担当する。

今後、3社は今回の実証実験で得た成果を踏まえ、サッポロファクトリーをはじめとする全国の複合商業施設やテーマパークなどにおける次世代の広告配信サービスの創出を検討し、新規ビジネスモデルの可能性を探る。また、各施設への送客や利用客に適切な案内などを行うと共に、デジタルサイネージ配信とAI(人工知能)などを組み合わせることにより、効果的な広告配信展開も検討していく方針だ。