通販大手のディノス・セシールは17日、Cookieを参照せずAI技術を使った記事ターゲティングと最適化運用を行うネット広告配信サービス「Candy」提供の山形のスタートアップ企業スリーアイズに第三者割当増資引受により出資することを発表した。

  • メディア組込み式高性能マルチマッチングモジュール「Candy」<a href="http://candy-network.com/" target="_blank">(公式Webサイト)</a>

    メディア組込み式高性能マルチマッチングモジュール「Candy」(公式Webサイト)

AIによるマッチングでCookieレスでのマッチング配信を展開する同社は、「Candy」によるWEB広告自動配信サービスやオウンドメディア向けの組み込み型「Candyモジュール」の提供、AI活用ビジネス技術戦略コンサルタントや設計開発支援などを行っている山形県米沢市のスタートアップ企業。2018年に大和企業投資の「東日本大震災中小企業復興支援投資事業有限責任組合」、2019年にはマイナビを引受先とした第三者割当増資を行っている。

今回出資を発表したディノス・セシールは、総合通信販売事業を営み、独自チャネルでのノウハウを重ねているが、カタログを含むアナログツールとの組み合わせなどインターネット技術との融合も期待される。同社は今回の出資先であるスリーアイズのサービスや技術を"Webコンテンツの内容そのものの解析を重視することから、Webユーザーに対して本当に価値のある情報を届けることを可能とする新たなソリューションとして、当社でも既存顧客に対してはもちろん、新規顧客に対するアプローチとしても非常に有効"と評している。

スリーアイズ 代表取締役 牧之内隆大氏は「老舗の総合通販企業である同社との取り組みを通じて、Cookieの参照や追跡に頼らずに集客効率・獲得効率を高めていくための技術の改善や新機能の拡充を更に推し進めていく」とコメントしている。

  • スリーアイズ「Candy」利用イメージ((同社資料より)

    スリーアイズ「Candy」利用イメージ((同社資料より)

スリーアイズの提供する「Candy」は、cookieや履歴情報を活用せず米SRI社の解析技術を取り入れた同社独自の自然言語解析AIにより、何十万に及ぶ日本の人気コンテンツから一般人の嗜好や知識を元にした辞書を自動作成し、それをベースに適合した広告配信を行うコンテンツ解析型のアドサービス。世界的な個人情報保護の流れのなか、デジタルマーケティング分野におけるCookieレス技術が注目されている。