Google Chromeチームは1月14日(米国時間)、「Intent to Deprecate and Freeze: The User-Agent string - Google Groups」において、現在User-Agentヘッダを通じて提供している情報を段階的に削減し、最終的にUser-Agentヘッダからトラッキングができないところまで情報量を減らすという計画を発表した。

User-Agentヘッダそのものは削除しないとしているが、提供される情報が減るため、User-Agentヘッダを使ってブラウザやOSの切り分けを行っていた場合は対応が必要になるものと見られる。

Google Chromeチームが発表したタイムラインは次のとおり。

日程 内容
2020年3月中旬 navigator.userAgentの使用を非推奨に変更
2020年6月上旬 ブラウザのバージョンとOSのバージョンを変更しないように方針を変更
2020年9月中旬 デスクトップ向けとモバイル向けでUser-Agentの値を環境に関係なく統一

Google Chromeチームの開発者らはUser-Agentから取得できる情報を制限する代わりに、「User Agent Client Hints」を使って情報を提供することを検討している。User-AgentよりもUser Agent Client Hintsの方が情報の精度も向上することから、最終的に現在よりも優れた状況になるだろうと指摘している。

  • Google Chromeで使われているUser-Agentのサンプル

    Google Chromeで使われているUser-Agentのサンプル

User-AgentヘッダはHTTPリクエストの際にヘッダに付与されるデータで、ブラウザの種類やバージョン、オペレーティングシステムやそのバージョンといった情報が記載されている。現在、この値はユーザーをトラッキングするための材料として使われてしまっており、ユーザーのプライバシーを侵害する原因の1つになっていると考えられている。今回、Google Chromeの開発者らが公開したプランは、こうしたプライバシーの問題に対処する内容となっている。