東京大学 大学院情報理工学系研究科 中村仁彦研究室と、NTTドコモの研究チームは17日、カメラ映像だけからモーションキャプチャを行う技術「VMocap」を応用し、特殊な装置やスーツを用いずに、広い空間における複数人のモーションキャプチャを行う技術を開発したことを発表した。
この技術は、解析に用いるべき最適な映像を、複数のカメラから自動的に選択して切り替えることで、広い空間における複数人のモーションキャプチャを行うもの。
人同士の身体が映像上で重なって見える状況下でも、人の骨格構造と運動の連続性と画像認識技術を活用することで頑強に運動を推定でき、複数の選手が激しく動き回るようなシーンでも高精度で滑らかなモーションデータや骨の動きを取得できることを実証したという。
同技術により、スポーツの試合やライブ会場など従来モーションキャプチャが困難だった場所でも手軽にモーションデータを取得し、運動解析や3Dアニメーションの作成ができるようになる。
加えて、東京大学・中村研究室がもつロボティクスに基づいた動作解析技術を用いることにより、骨の運動だけでなく身体に働く力や筋の活動まで計算し可視化できることを確認したという。これにより、複数台のカメラ映像だけから運動の計測・解析まで一貫して行えるということだ。
今後は、同技術をサッカーや野球、体操、フィギュアスケートなどのスポーツに適用し、トレーニングや戦術解析、障がい予防、運動のアーカイブ化などに役立てるとともに、エンターテインメント領域における3Dアニメーション作成、介護・リハビリ現場での運動評価などにも活用していくとしている。
なお、同技術は1月23日と24日、東京ビッグサイトにて開催される「DOCOMO Open House2020」においてにデモ展示を行う予定となっている。