日本ヒューレット・パッカード(HPE)は1月16日、新サーバとして「HPE ProLiant DL325 Gen10 Plus」「HPE ProLiant DL385 Gen10 Plus」の提供を開始した。価格はDL325 Gen10 Plusが57万6000円~、DL385 Gen10 Plusが69万円~。
新モデルはHPE ProLiant Generation 10(Gen10)の進化版として初めて発表するサーバーとなり、第2世代AMD EPYC 7002プロセッサの最上位モデル(最大3.4GHz、64コア)の搭載を可能にしたほか、9%高速化した3200 MT/sメモリ、PCIe 4.0サポートによるI/Oの高速化など総合的なパフォーマンスの向上を実現しているという。
従来の1Uラックサーバの設計を一新したDL325 Gen10 Plusは、ストレージ搭載容量を従来モデルの2.4倍(最大24 SSDドライブ、367.2TB)に強化し、2UラックサーバのDL385 Gen10 Plusにおいても同等の性能が発揮されるよう設計を一新したという。
新モデルはハイブリッドIT環境のデータセンターで運用される「仮想化環境」「HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)」「ビッグデータ分析」「ソフトウェア定義ストレージ(SDS)」「テレコム/NFV(Network Functions Virtualization)」の5つのワークロードを意識して開発し、マルチコアプロセッサに加え、メモリの高速化、ストレージ容量の強化により、プラットフォームの適用範囲を拡大する。
仮想化環境ではVM密度が最大化された基盤により、サーバーリソースの稼働率を引き上げ、運用コストを引き下げる仮想化のメリットを享受することができるという。
HPCについては、常に性能向上が求められるためDL385 Gen10 Plusサーバは、用途の範囲を新たな段階に拡大し、HPCアプリケーションで必要とされるプロセッサ自体の性能、メモリ容量とスループット、ASICやGPUによるアクセラレーション搭載機能を兼ね備えていることから、適用できるワークロードの幅が広がるとしている。
ビッグデータ分析に関しては、リアルタイムに意思決定するための洞察を迅速に得るために、膨大な構造化・非構造化データを保存、アクセス、分析できることが必要であるとと同時に、処理には多数のメモリチャネルで接続された高速な大量メモリと、多数の高性能コアが必要とされる。そのため、DL325 Gen10 PlusとDL385 Gen10 Plusはビッグデータのワークロード処理用システムのビルディングブロックとして柔軟に構成でき、迅速なデプロイ、効率的な拡張、安全な管理で活用を可能としている。
SDSはスケーラビリティと管理の容易さ、コスト削減への効果から導入が進んでいるため最大24ドライブ搭載のHDL325 Gen10 Plusと同38ドライブ搭載のDL385 Gen10 Plusは、HCI(ハイパーコンバージドインフラ)のようなワークロードに利用されるSDSのプラットフォームとして、データ容量の増大に効果的に対応するという。
テレコム/NFVについては、5Gの普及とエッジコンピューティングの拡大に伴ってデータが爆発的に増大しており、多くの通信事業者のレガシーネットワークの限界を圧迫している。そのため、低レイテンシ接続の高速CPUコアは5Gネットワークを介した音声、データ、動画の配信に効果を発揮し、DL385 Gen10 Plusは豊富なメモリ構成、PCIe 4.0で接続されたネットワークインタフェースカードやアクセラレーターによりレイテンシを最小限に抑えるとしている。