NTTデータは1月16日、日本年金機構において埼玉りそな銀行、横浜銀行、川崎信用金庫の協力のもと、NTTデータが提供する預貯金等照会業務の電子化サービス「pipitLINQ(ピピットリンク)」を活用した実務検証を2月から実施すると発表した。

同機構が実施する財産(預貯金状況)調査業務において、これまでは異なる様式かつ紙による調査が実施されており、事務所職員の業務負荷や調査回答期間の長期化が課題になっていたという 。

同社では、こうした課題を解決するため昨年2月から預貯金等照会業務の電子化サービス「PipitLINQ」を提供してきたが、今回、日本年金機構と財産調査業務における課題解決に向けた実務検証を行うことにした。

実務検証は、同機構が実施する財産(預貯金状況)調査業務において、日本年金機構と金融機関のやり取りに電子データを用いることで、どの程度の作業時間削減と業務効率化が可能かを検証する。これまで、紙で行っていた事務作業を電子化した場合の削減時間の検証、口座の特定結果の検証、紙から電子データへの変更に伴う照会結果の検証などを行う。

  • 実務検証における運用イメージ

    実務検証における運用イメージ

実施期間は2月~3月まで、検証項目の一例として電子化による業務削減に係る検証、電子化後の作業時間を測定し、プロセスごとにどの程度の作業時間が削減できるかの検証、口座の特定結果の検証、電子化後の口座特定結果が電子化前と同等であるかの検証、照会/回答にかかる統一フォーマットにおける照会結果の検証、照会/回答にかかる統一フォーマットを使用し、照会結果が電子化前と同等であるか検証する。

各社の役割は、NTTデータが預貯金等照会業務のpipitLINQの提供、実務検証用システムの提供、日本年金機構が電子データによる財産調査の一通りのプロセスの実施、想定した運用手順の妥当性の確認、電子化後の運用上の課題の抽出など、金融機関が電子データによる財産調査依頼への回答をシステム上で実施する。

同サービスは、行政機関、金融機関等が幅広く参画することで、一層の効率化が進むものであり、全国の行政機関および金融機関へ今後も引き続き、参画を呼びかけていく予定だという。また、継続的なサービス拡充を並行して実現することで、デジタル・ガバメントの実現を推進し、2021年度末までに120の金融機関および300自治体への導入を目指す。