熊本県と阿蘇火山博物館久木文化財団は1月14日、NECの協力のもと、阿蘇火山博物館で提供しているVR体験サービスについて同25日から「恵みの水を巡る」篇と「壮大な自然を空中散歩」篇の2つのコンテンツを拡充すると発表した。

熊本県では、2016年に発生した熊本地震や阿蘇中岳噴火の影響で落ち込んだ観光客の回復に向けて、さまざまな観光振興策を講じており、一環として阿蘇火山博物館ではVR体験サービスを昨春より開始し、利用者が1万人を突破したという。

今回、新たに提供するVR体験サービスは①阿蘇の豊富な水資源をテーマに自然の恵みを学び、水源地を巡る「恵みの水を巡る」篇と、②カルデラ誕生の解説と併せてドローンで撮影した火口を体感する「壮大な自然を空中散歩」篇となる。

恵みの水を巡る篇は、阿蘇最大の自然資源の1つであり、カルデラ大地がつくりあげた湧水群をテーマにしたもので、視聴者を水にまつわる観光地へと誘う内容になっているほか、VR体験のコンテンツ、視聴方法、注意点を解説する紹介VTRを新たに用意するとともに、ヘッドマウントディスプレイを12台へ増やし、VR体験の環境を整備する。

熊本県では、阿蘇の魅力をさまざまな角度から観光客へ伝えるとともに、紹介した観光地へと足を運んでもらえるように、引き続き阿蘇火山博物館でのVR体験をハード・ソフトの両面から充実させていくという。ICTの効果的な活用を進めることで、地域固有の観光資源の魅力を引き出し、観光産業のさらなる振興を図る考えだ。