2020年の年頭にあたり、ベリタステクノロジーズ 代表執行役員社長の大江克哉氏は、以下の年頭所感を発表した。

明けましておめでとうございます。平素より当社に対するご支援に厚く御礼申し上げます。新年にあたり、皆様にご挨拶を申し上げます。

デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速がうかがわれる昨今、資産としてのデータ価値を高めるため、“データ管理”にも変革が迫られています。ベリタスは、お客様が未来のイノベーションへの道を切り開けるよう、DX戦略推進の最も重要なパートナーになることを目指してまいります。2020年も引き続き、変わらぬご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願いいたします。

2019年、業界最高レベルのデータ管理にこだわり続けてきたベリタスは、新しい製品ビジョンとして「エンタープライズ・データサービス・プラットフォーム」を発表しました。これは、爆増するデータ量への対応、クラウド移行/ハイブリッド環境での管理の複雑化、データを狙うランサムウェアなどによる脅威や障害、人的ミス、災害等によるシステムダウン・レジリエンシーへの対策、厳しいデータ規制への対応などにより、複雑化し、煩雑になる企業IT部門の業務負担を大幅に削減させる、ベリタスからの提案でした。

2020年は、前年からのトレンドが一層先鋭化する中、5Gの導入、AIOpsの拡散、そしてコンテナ技術の活用が注目される技術として挙げられています。ベリタスは、最新の技術トレンドを先取りし、エンタープライズ・データサービス・プラットフォームのコンセプトをさらに進めながら、ソリューションの機能強化および拡張につとめてまいります。

2020年は、以下3つのテクノロジートレンドに注目しています。

1. 5Gの導入がもたらすネットワークエッジの革新とそこに現れる保護の課題
5Gによって、ネットワークエッジにおいてもリッチかつインタラクティブなオンデマンドサービスを即座に処理することが可能になります。そこではデータとユーザー、そしてIoTとの溝は一層、小さくなっていくことでしょう。ガートナーは、来年末までに58億台の接続デバイスが市場に投入されると予測していますが、これらのエッジシステムは、その周辺で一時的なデータの増加を生み出します。例えば、無人輸送システムの自動運転ナビゲーションでは、車両と乗客の安全かつ迅速な移動を可能にするジオロケーションデータなどが作られ、目的が達成されると削除されてしまいます。今後これらの一時的なデータを含むIoTデータは、ビジネス決定において重要な役割を担うようになりますが、これらのデータ価値が高まる程、サイバー犯罪者にとっては、より魅力的なターゲットとなります。また、エッジネットワークのダウンタイムは、社会に大きな混乱を引き起こすことになりかねないので、レジリエンスを確保することにも注力しなければなりません。これらの課題に対応するため、多数のセカンダリエッジサイトを構築して重要なサービスとアプリケーションの可用性を高めるか、または、集中ネットワークをバックアップとして使用することになるでしょう。

2. AIOpsの導入元年:利便性の先に見える将来の課題
多くの組織が従来のコアエンタープライズ・データセンターから、分散型のオンプレミスおよびクラウドインフラストラクチャへの移行を進めていく中、AIOpsの導入範囲も広まっていくと考えられます。AIOpsの必要性が高まる主な要因には、マシンエージェント、コンテナ化されたアプリケーション、プロセス指向の分析、IoTデバイス、API主導型のインフラストラクチャなどがあります。特に、APIの自動化は、重要かつ新しいレベルの自律プロセスを提供すると考えられ、さまざまな運用、ツール、デバイスから収集したデータを、分析、機械学習のアプリケーションへ速やかにつなげられる期待から、その採用が広がると考えられます。 これら新しい技術の広まりは、問題の自動検出とスムーズな自己修復、潜在リスクの事前検知等に大きな貢献を期待される一方、自動化の精度維持、サービスとして定着を始めた後での保守メンテナンス等は、将来へ向けての課題となるでしょう。

3. コンテナ技術の発展とデータ規制への対応
コンテナ技術は、アプリケーション展開および拡張することで、ビジネスの汎用性を高めます。また、組織が従来型のオンプレミスのインフラストラクチャから、コンテナ技術を含むハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)やパブリッククラウドへ移行するにつれて、ワークロードの迅速な展開とシフトが容易になります。こうした背景から、コンテナ技術は、今後よりシンプルで、使いやすく、迅速なインフラストラクチャの展開を可能にする方向へと進化して行くでしょう。 こうしてインフラストラクチャやITシステムがクラウドのように柔軟性が高まるにつれ、データはより一層様々な場所で生成されるようになり、データの管理、特にデータの属性情報をより一層正確に、ち密に、データと共に保持し続けることも求められます。データがいつ、どこで生成され、誰に活用されているか等の情報は、データ管理規制が強化される方向の中では、特に重要なものです。

ベリタスが2019年に発表した内容は、いずれも2020年以降のトレンドに強くかかわるものでした。これらトレンドが進むに従って、潜在的な課題もより現実で切実なものとなってくるでしょう。データの保護、可用性、インサイトのいずれの方面でもリーダーであり続けるベリタスは、すべての課題に先行する発展を続けて参ります。2020年も引き続きベリタスにご注目ください。