2020年の年頭にあたり、日本オラクルの執行役 最高経営責任者のケネス・ヨハンセン氏は、以下の年頭所感(抜粋)を発表した。

データドリブン経営が向かう先、「エクスペリエンス・エコノミー」におけるパートナーとしてお客様を支援

明けましておめでとうございます。本年も皆様にとって素晴らしい、実りある一年となりますことを心よりお祈りします。

昨年9月にOracle Germanyから異動し、日本オラクルのCEOに就任して4カ月が経ちました。この間、日本のビジネスを深く理解するために多くのお客様を訪問してきました。そこで感じたのは、ビジネスや社会のデジタル化、いわゆるデジタル・トランスフォーメーション(DX)における課題は日本と欧州諸国で共通しているという事実です。

日本と欧州諸国はいずれも高齢化社会を迎えており、若年層、言い換えれば生産年齢人口の減少が課題となっています。つまり、これまでよりも数少ない人数で、より多くの人たちに対してサービスを展開することが求められているわけです。DXはこの社会的な問題を解決するソリューションの1つだと考えています。

このDXに対する議論は、欧州諸国でもまさに行われている段階であり、特に日本が遅れているというわけではありません。ただ、DXの成功に向けた列車はすでに走り出しており、もはや猶予はありません。テクノロジー企業としてイノベーションをけん引する当社として、これまで以上にお客様のDX推進を支援していきたいと考えています。

このDXの基盤としてご利用いただけるほか、既存IT環境のクラウド移行を進める上でも最適なプラットフォームとして、2019年5月に最新のテクノロジーを採り入れた「Generation 2」クラウド・インフラストラクチャのデータセンターを東京に開設しました。さらに2020年には、同様のデータセンターを大阪にも開設することを計画しています。これにより、日本においてもオンプレミスで実現できていたパフォーマンス、セキュリティ、信頼性と同じレベルのクラウドサービスをご利用いただくことが可能になったほか、レベルの高い災害対策が求められるミッションクリティカルなシステムのクラウド移行にも活用していただくことができます。

このプラットフォームの上で展開しているのが、「Oracle Autonomous Database」や「Oracle ERP Cloud」をはじめとする多種多様なクラウドサービスです。オラクルはサービス指向へと大きく転換し、その中でクラウドサービスの強化や拡充に注力しています。これらのサービスの提供を通じ、クラウドを利用するお客様に対して大きな利益を提供していきます。

「データドリブン」なビジネスを志向するお客様が向かう先は、感動的な体験に価値を認める「エクスペリエンス・エコノミー」の世界です。顧客体験の向上のためのお客様の取り組みも、これまで以上に積極的に支援していきたいと考えています。

言うまでもなく、現在の顧客は購買活動やサービスの利用において体験に重きを置いているため、顧客ごとにパーソナライズされた体験の提供や、店舗やECサイトなどチャネルをまたいだ顧客データの統合に取り組む企業は少なくありません。しかし、オラクルが委託しForrester Consultingが実施した2019年11月の調査では、顧客データを効果的に使用しているブランドはわずか11%に留まっているという結果が示されました。

このようにデータをビジネスに活かすことができていない状況では、データに基づいて事業を推進することも、顧客体験を向上させることも困難です。

日本オラクルでは、データを所有する会社からデータドリブンな会社への変革をサポートするという目標を以前から掲げています。この目標は2020年も変わりません。私たち日本オラクルは、データ活用に課題を持つ日本のお客様に対して最良のソリューションを提示し、パートナーとしてお客様のビジネスを支えていきます。

これらの取り組みに加え、オラクルがシリコンバレーやグローバルの開発拠点で実践しているイノベーションを日本のお客様に迅速に提供し、お客様とともにイノベーションを起こせるような関係を構築するための取り組みも積極的に進めていきます。

特に日本には極めて大きなパートナーコミュニティがあり、そこに参加するパートナーはお客様のビジネスに対して多くのナレッジを有しています。こうしたパートナーのナレッジ、そしてオラクルのイノベーションを融合すれば、極めて大きな価値が生み出されるでしょう。

今後も日本オラクルは、お客様のビジネス変革をサポートし、そしてビジネス上の課題をともに解決するパートナーとして、お客様に寄り添い、イノベーションの推進を積極的にサポートしてまいります。ぜひご期待ください。