ヴァイナスは12月25日、英ENGYSが開発している企業向けオープンソースCFDソフトウェア「HELYX」の最新バージョンである「HELYX v3.2.0」の国内提供を開始したことを発表した。

同バージョンでは、HELYX-GUIの可視化機能「View Tab」の強化を行うことで、設計者が断面表示・流線の描画などの可視化を簡単・スムーズに実行できるようにしたほか、可視化した断面や流線のグループ化や手順の保存・読込などの機能も追加されたという。

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    View Tabによる流線の可視化機能

また、HELYX-GUI上での操作を記録し、自動的にPythonスクリプトとして出力し実行するマクロ機能をサポート。これにより、メッシュ生成、境界条件などの設定、ソルバの実行、ビューイングなどの複雑な操作を自動実行することが可能となった。さらに、メッシュ機能の強化によって、複雑形状に自動でメッシュ生成ラッピングするアルゴリズムを追加、表面メッシュの1~2格子幅程度の寸法の隙間を自動的に検知しウォータタイトモデルにすることが可能となった。

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    ラッピング機能によるギャップ対応

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    隙間部のメッシュ要素削減

このほか、HELYXが進めているマルチリージョン、マルチフィジックス問題を扱う効率的なソルバ構造(Unified Solver Framework)への移行改良の最初のソルバとして、共役熱伝達(Conjugate Heat Transfer:CHT)ソルバを提供。これにより、並列計算時スケーラビリティが向上し、計算時間の短縮を図ることができるようになるという。

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    CHTソルバによるブレーキ制動時の温度分布計算例

なお、HELYXのフローティング年間ライセンス価格は252万円(税別。初年度保守料を含む)から、となっており、ヴァイナスでは、シミュレーション技術活用のための総合サポート「OPASS(Open Source Advanced Support Service)」と、自動車業界や重工業業界などにおけるエンジニリングサービスの実績をベースにしたコンサルティングなどにより、2020年度のHELYX関連の売り上げとして、30ライセンスを見込むとしている。