Phoronixは12月23日(米国時間)、「FSF-Approved Hyperbola GNU/Linux Switching Out The Linux Kernel For Hard Fork Of OpenBSD - Phoronix」において、Hyperbola GNU/LinuxディストリビューションがベースプラットフォームをLinuxからOpenBSDに変更すると発表したことを伝えた。
新しいディストリビューション名は「HyperbolaBSD」と呼ばれる見通し。ベースプラットフォームをLinuxからOpenBSDに切り替えるというのは珍しい。
移行の理由は「Hyperbola - Announcing HyperbolaBSD Roadmap」に掲載されている。Hyperbolaプロジェクトは、現在のLinuxカーネルが急速に不安定な道を進んでいると指摘、OpenBSDをベースにまったく新しいOSを実装することを計画していると説明している。OpenBSDにGPLv3またはLGPLv3をベースに新しく開発するコードを追加して、「HyperbolaBSD」に仕上げると見られる。
HyperbolaプロジェクトはLinuxカーネルに対する不満点として、以下を挙げている。
- HDCPを含むDRMのLinuxカーネルへの強制適用
- LinuxカーネルはRustの利用を提案されているが、セキュリティ上の懸念がある
- セキュリティを加味してLinuxカーネルの開発が行われていない
- ソフトウェアの多くがPulseAudio、SystemD、Rust、Javaの利用を強要されている
Phoronixは、Hyperbolaプロジェクトのこの指摘は必ずしも正確ではないとし、説明を追加している。また、多くの開発リソースが存在しない限り、OpenBSDをベースにHyperbolaBSDを作り上げることは難しいのではないかと懐疑的な意見を述べつつ、2020年に何が起こるのか見ていこうとコメントしている。