NECは12月20日、量子コンピューティングに関する活動を加速させることを目的に、顧客との共同実証を通じた用途開発および技術開発を推進し、人材育成を行う「量子コンピューティング推進室」を2020年1月に新設。2020年度第1四半期より、同社のベクトル型スーパーコンピュータ「SX-Aurora TSUBASA」を活用したアニーリングマシンの活用も含む組み合わせ最適化問題を解決するための共創サービスの提供を行う予定であることを明らかにした。
同共創サービスでは、NECが開発したアニーリング処理に最適化した独自のアルゴリズムを組み込んだソフトウェアとSX-Aurora TSUBASAを組み合わせたシミュレーテッド・アニーリング(SA)マシンを活用することで、高速処理を実現することが可能になるという。社内のテストでは、従来のSAシステムに比べ、300倍以上の高速演算ができることを確認したとしている。
なお、NECでは現在、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の新規事業「高効率・高速処理を可能とするAI チップ・次世代コンピューティングの技術開発/次世代コンピューティング技術の開発」において、基本量子セル(4量子ビット)の動作検証を進めており、この検証が確立できると、基本量子セルの繰り返し配置により全結合での多ビット化へとつながり、スケールアウトへの重要な一歩となると説明している。