JSOLは12月18日、米Bottomline Technologiesの協力を受け、人工知能(AI)を利用したSWIFT電文リアルタイムモニタリングシステムである「Secure Payment」サービスの提供を2020年2月に開始すると発表した。JSOL SWIFTサービスビューロの利用金融機関向けの提供価格は、サービス申込費用がBIC当たり300万円(税別)、年間サービス利用料が同264万円(同)。今後5年間で30金融機関への導入を目指す。

新サービスは、アンチマネーロンダリング(AML)や不正検知を目的とし、共同利用型でのサービス提供になるという。

同社は同サービスについて、2019年8月から11月にかけてJSOL SWIFTサービスビューロを利用している複数の金融機関協力の下で、システムの有効性評価を行ってきた。

評価の結果、検知しにくい情報を含め、全ての海外送金取引の取引状況の分析と異常取引の検知が実現できることを確認できたという。

人工知能を使用したシナリオ定義機能により、ユーザーの作業負担を大きく短縮できる上、一般的なAMLシステムと比較し誤検知率が約3.4%と低いことも確認できたため、サービス提供を開始することにしたとしている。

有効性評価のポイントとして同社は、取引状況の分析、異常取引の検知、導入の容易性、誤検知率の低さの4点を挙げる。

取引状況の分析については、同サービスのレポート機能を使用して、異常取引一覧、統計情報、口座番号ごとの送金通貨・送金額一覧といった取引状況の分析結果をレポート化が可能という。

異常取引の検知に関しては、過去取引の無い国のコルレス先を介しての着金、特定口座が普段と違う頻度で送金している、特定銀行から特定口座へ異常額が着金といった異常取引を検知し、リアルタイムでブロック可能とのこと。

導入の容易性については、予め実績のある検知シナリオを用意しており、AIにより各金融機関の特性に応じた閾値を自動で定義し、各金融機関オリジナルの実効性が高いモニタリング環境を短時間で構築可能としている。

誤検知率の低さに関しては、異常取引の検知率平均は約3.4%であり一般的なAMLシステムと比較して誤検知率が低いことを確認できたという。 また、1日あたりの送受信電文量に関わらず人工知能は問題無く学習し、どの金融機関も検知率と検知内容に大きな差は見られなかったとのこと。

なお同社は同サービスについて、 将来的にはJSOL SWIFTサービスビューロ利用金融機関以外の金融機関へも提供を目指しているという。