建設現場は電気、ガス、水道、内装他様々な業者が出入し、就業する人員も年齢、性別、国籍など多種多様、それらの混沌とした現場でいかにコミュニケーションを円滑に行えるかは、現場の安全と建築物のクオリティに大きく影響する重要なポイントになるという。
そんな現場にフォーカスして開発されたのが建設現場管理アプリ「フレマップワークス」だ。開発した安城電機は、電気工事会社として施工管理してきた長年の経験から同アプリを開発、今回、12月11日から13日まで東京ビッグサイトで開催された第1回 住宅・ビル・施設 Week 2019 工務店支援EXPO で、「フレマップワークス」を参考出展した。同アプリは、中小企業庁の支援事業にも採用され、開発が進み来年春にもリリース予定だ。どのようなアプリかレポートする。
安城電機は1959年に愛知県で創業して以来、電気工事を基幹事業として、通信、建築などの業務を行ってきた。現在、ICT事業部門を創設するなど情報化社会に対応したIT事業を展開、「フレマップ」などのアプリを開発してきた。そして、今回平成30年度の中小企業庁「商業・サービス競争力強化連携支援事業(新連携支援事業)」に今回の「フレマップワークス」が採択され、現在開発が進められている。
「フレマップワークス」は、チャットと地図機能、そして、写真や資料など共有閲覧に機能に絞った建設現場管理アプリケーションだ。作業現場の関係者に普段どのようなアプリケーションを活用しているかアンケートをとった結果から機能を絞っている。作業の現場では、LINEなどで情報を交換し、Google Mapで位置情報を確認、データや資料を使いたいときはファイルストレージ系のアプリを活用していた。作業現場関係者は、年齢、性別、国籍など多種多様であり、概ねITリテラシーが高くは無いという現状もがあったという。そういった条件での活用を前提に同社は「管理者にも作業者にもカンタン&やさしいアプリ」をコンセプトに開発している。
「フレマップワークス」の利用法は、管理者が現場ごとにワークスペースを作成して、そこでチャットを行い情報のコミュニケーションを図る。チャットの履歴は保存されるので、後のレポート作成にも役立てることができる。なかでも便利な機能は、グループで作業内容や注意事項など確実に伝達が必要な項目に「確認ボタン」を設置して、メンバーが確認したかチェックできる機能だ。これによりメンバーに直接確認をとる必要がなくなる。
施工現場は、市街地ばかりとは限らない、交通が不便な地方や山岳地帯など地図がなければ、行けない場所での作業も多い。そんなとき、施工場所への位置とルートを表してくれるマップ機能、現在位置の把握にも役立つ。
場所を選ばずPCやタブレットから利用できるアプリは、事務所に居ながら施工業者とのコミュニケーションも可能だ。管理者は、現場と連絡を取りながら直接現場に立ち会う時間を計算することができ、業務時間を有効に活用できるようになる。
リリースは、2020年の春を予定しているが、サービスの利用は、iOS版はバージョン13.1以降、Android版は8.0以降が推奨。料金は、初期費用なしの1ユーザーにつき月額500円を予定。無料版は、ワークスペース容量、100MBでメンバー招待は2名のみに制限、有料版は無料ワークスペースの他に容量がメンバー数×1GBのワークスペースが追加される。