レッドハットは12月12日、「Red Hat OpenShift Container Platform」のパートナー企業向けプログラム「Red Hat OpenShift Managed Practice Program」を発表した。
「Red Hat OpenShift Container Platform」は、Kubernetesによりコンテナ・アプリケーションの開発、ホスティング、スケーリング、提供を支援するプラットフォーム。2020年度の事業戦略「オープンハイブリッドクラウド」は、「クラウドネイティブアプリケーション開発」を柱の1つに据えており、これを実現する製品がRed Hat OpenShiftとなる。
レッドハット 代表取締役社長 望月弘一氏は、同プログラムを開始した背景について、「Red Hat OpenShiftは、一昨年から昨年にかけて、昨年から今年にかけて、成長のスピードが加速しており、われわれはコンテナ市場で確固たる地位を確立した。しかし今後、さらなる成長を遂げ、ユーザーの多彩なニーズに応えていくには、レッドハット単体では不可能で、エコシステムの構築が必要」と説明した。
新パートナープログラムについては、レッドハット 常務執行役員 パートナー・アライアンス営業統括本部長の金古毅氏が説明を行った。同氏は、パートナービジネス強化のため、今年7月に同社に入社した。
金古氏は、今後グローバルおよび国内のいずれにおいてコンテナ市場は拡大することが見込まれるが、一方で、コンテナ導入に関して、国内では課題が生まれていると指摘した。課題は大きく分けると2つある。
1つ目の課題は「既存のサービスをコンテナで稼働させる際、品質と安定性を担保できるかどうか」だ。金古氏は、この課題については、Red Hat OpenShiftとパートナーによるサポートによって解決すると述べた。「Red Hat OpenShiftはマルチクラウド環境に対し、フルスタックの自動運用の機能を提供しており、安定したコンテナ環境を実現する。ただし、Red Hat OpenShiftをユーザー企業自身が展開するのは難しいという側面もある。そこで、パートナー企業によってユーザー企業をサポートする」(金古氏)
2つ目の課題は「コンテナに精通した人材の確保、コンテナ関連の技術のキャッチアップが可能か」ということだ。この課題に対しては、マネージドサービスを提供することで、ユーザー企業の人材をコアのビジネス開発に振り向けることができるようにする。
こうした課題解決を支援するパートナープログラムが「Red Hat OpenShift Managed Practice Program」となる。同プログラムでは、Red Hat OpenShift Dedicated を実際に運用するレッドハット米国本社のSRE(Site Reliability Engineering)チームがパートナー企業に対し、直接技術支援を行う。
金古氏は、米国本社のSREチームについて、「彼らは自らコードを書いて、クラウド環境のマネジメントを自動化しており、開発者と運用者の双方のマインドセットを持っている」と語った。
同プログラムでは、ワークショップを半年ごとに米国と日本で実施し、マネージドサービスを提供するための運用ノウハウ、技術情報やベストプラクティスをパートナー企業に共有する。
また、同プログラムの参加パートナー企業に対し、チームをアサインする。チームは、各パートナー企業の担当営業、担当SA(Solution Architect)のほか、保守運用サービスが行えるトレーニングを受けたスペシャリストのOpenShift Specialist Solution Architect、マーケティング担当者で構成される。
なお、金古氏は、同プログラムが日本独自のものあると述べた。他国に比べると、日本はパートナー企業の関わりが深いことから、同プログラムの提供に踏み切ったという。
同日時点で、同プログラムに参加しているパートナー企業は、伊藤忠テクノソリューションズ、NTTコムウェア、NTTデータ、NEC、日本IBM、野村総合研究所、日立製作所、富士通となっている。