富士通は12月12日、PCサーバ「FUJITSU Server PRIMERGY」シリーズにおいて、第5世代移動通信方式(5G)向けの高速仮想スイッチを実現する新モデル「PRIMERGY RX2530 M4p」を日本国内で販売開始すると発表した。価格(税別)は、335万2200円~。

  • 「PRIMERGY RX2530 M4p」

    「PRIMERGY RX2530 M4p」

新モデルは、FPGA(Field Programmable Gate Array:論理回路を書き換え可能な大規模半導体デバイス)一体型のインテル Xeon Gold 6138P プロセッサを標準搭載し、FPGAに同社が独自設計した論理回路を組み込むことで、仮想ネットワーク上のパケット処理を実行する仮想スイッチの機能を持ったサーバとなる。

また、富士通研究所が開発した仮想マシンと仮想スイッチ間のインターフェース変換技術や、同一サーバ内の複数のFPGAを活用して仮想スイッチのポート数を増やす技術により、仮想環境下における高速なネットワークの構築を支援するという。

主な特徴として仮想スイッチのパケット転送処理をCPUと一体化したFPGAにオフロードさせることで、膨大な音声やセンサなどのデータを想定した64バイト長ショートパケットを毎秒1億回処理することができるという。これは、従来のCPUのみを利用した仮想スイッチと比べて約4.5倍の処理速度に相当し、5G通信での超低遅延なデータパケット転送を可能としている。

また、FPGAを仮想スイッチとして動作させるためのソフトウェアと一緒に提供するため、既存の仮想ネットワーク環境と同じ設定を行うことで簡単にネットワークの高速化をができるという。さらに、FPGAとの併用により、余剰となったCPUコアをファイアウォールやロードバランシングなどのアプリケーション処理に振り向けることができ、効率的なリソース配分を実現するとしている。