Comparitechは12月4日(米国時間)、「50 countries ranked by how they’re collecting biometric data and what they’re doing with it - Comparitech」において、指紋などの生体データの収集状況と利用状況をベースに、生体データの利用に関する懸念がある国のランキングを公開した。
欧州連合(EU)加盟国および非加盟国を含む50カ国が評価の対象となっている。公開されたランキングは次のとおり。
順位 | 国 | スコア |
---|---|---|
ワースト1 | 中国 | 24 |
ワースト2 | マレーシア | 21 |
ワースト3 | パキスタン | 21 |
ワースト4 | 米国 | 20 |
ワースト5 | 台湾 | 19 |
ワースト5 | フィリピン | 19 |
ワースト5 | インドネシア | 19 |
ワースト5 | インド | 19 |
南アフリカ | 18 | |
ブラジル | 18 | |
エストニア | 18 | |
ナイジェリア | 17 | |
タイ | 17 | |
シンガポール | 17 | |
日本 | 16 | |
ロシア | 16 | |
カナダ | 16 | |
イスラエル | 16 | |
アルゼンチン | 16 | |
フランス | 15 | |
フィンランド | 15 | |
ハンガリー | 15 | |
ドイツ | 15 | |
スロバキア | 15 | |
スウェーデン | 15 | |
オーストラリア | 15 | |
イタリア | 15 | |
リトアニア | 14 | |
ラトビア | 14 | |
ブルガリア | 14 | |
ニュージーランド | 14 | |
アイスランド | 14 | |
ルクセンブルク | 13 | |
マルタ | 13 | |
ポーランド | 13 | |
ベルギー | 13 | |
ノルウェー | 13 | |
デンマーク | 13 | |
チェコ共和国 | 13 | |
スロベニア | 13 | |
スペイン | 13 | |
ギリシャ | 13 | |
オランダ | 13 | |
オーストリア | 13 | |
スイス | 12 | |
ベスト5 | ルーマニア | 12 |
ベスト4 | 英国 | 12 |
ベスト3 | キプロス | 12 |
ベスト2 | ポルトガル | 11 |
ベスト1 | アイルランド | 11 |
ワーストランキングでは中国が25スコア中24をマークして1位につけた。中国では、以下のような状況で、生体データが利用されているという。
- パスポート、IDカード、銀行口座で生体認証を利用
- 市民の生体データを保護する特定の法律が存在しない
- 全国的な生体認証データベースがDNAを含むように拡張されている
- CCTVカメラによる顔認証技術が広範囲で使用されている。現在は少数民族のトラッキングと監視に使われており、そのほかのサービスにも広がりを見せている
- 職場の従業員を保護する手段が存在していない
- 大多数の国で中国への入国にはビザが必要であり、ビザには生体データが含まれている
日本のスコアは16。順位は示されていないが、調査対象となった国の中では比較的高いスコアに分類される。EUに加盟している国はEU一般データ保護規則(GDOR: General Data Protection Regulation)が存在するため、比較的低い値にとどまっている。しかし、今後スコア値は上昇することが予測されている。
記事では、生体データの利用を利便性ではなく、プライバシーを脅かす危険性の高いものとしてとらえており、生体データの利用が広範囲に及んでいる国ほどスコア値が高くなっている。逆に、法律などで生体データの使用を制限している国はスコア値が低く、生体データによるプライバシ侵害の懸念が小さい国と評価されている。