ベルシステム24ホールディングスとデロンギ・ジャパンは12月2日、日本マイクロソフト、DataMeshと連携し、最先端のデジタル新技術を活用し、コールセンター業務において時間や場所の制約を超えた新しい働き方の実現を目指した「コールセンター・ワークスタイル・イノベーション・プロジェクト」を開始すると発表した。同プロジェクトでは、Mixed Reality(MR、複合現実)を活用した次世代ワークスタイルソリューション「コールセンター・バーチャライゼーション」を共同開発し、同日から実証実験を開始した。

コールセンター・バーチャライゼーションは、MRを実現するヘッドマウントディスプレイ「Microsoft HoloLens 2」とDataMeshの3Dホログラム技術を活用したMRアプリを組み合わせることで、デロンギ製品のサポート業務を、コールセンター拠点以外の場所でも提供できるようにするソリューション。

これまで、電化製品や化粧品など有形製品を提供するメーカーなどのコールセンターでは、膨大な数の製品をセンター内に設置し、問い合わせごとにオペレーターが実物を手に取り、実際に本体や部品を動かしながら対応していたという。

HoloLens 2を活用したソリューションを用いることで、オペレーターは消費者からの問い合わせに際し、3Dとして完全な形で空間上に再現された製品が目の前にあるかのように詳細を確認しながら回答できるようになるほか3Dホログラムのデータは「Microsoft Azure」に保存されるため、複数の人がどこからでも利用を可能としている。

  • 現在のコールセンターの様子

    現在のコールセンターの様子

  • 「コールセンター・バーチャライゼーション」の使用イメージ

    「コールセンター・バーチャライゼーション」の使用イメージ

これにより、地方在住者や育児・介護と仕事を両立したいなど、時間や場所の制約がある人でもコールセンター拠点に勤めるオペレーターと同レベルの業務を行うことが可能になる。なお、ベルシステム24ではビジネスモデルの特許を申請済み。

プロジェクトでは、3万人を超える多様なバックグラウンドを持った社員が勤務するベルシステム24を中心に、4社が連携して、コールセンター業務におけるワークスタイル・イノベーションを目指した研究・開発を進める。

まずは、デロンギ製品の問い合わせ受付業務において段階的に実証実験を行い、初期テストを早期に実施し、その後は複数の製品、複数のオペレーター、複数の拠点へと運用を拡げるなどの高度化を進めていく。その工程の中で、さまざまな検証を行いつつほかの商品・サービスに拡大した場合の規模や効果の試算を行い、2021年末をめどに汎用的なビジネスモデルを構築し、ベルシステム24のほかのクライアント企業での導入を図る。