東芝テックとNTTコミュニケーションズ(NTT Com)は11月28日、NTTグループのAI(人工知能)技術「corevo」の1つである「アングルフリー物体検索技術」を使用した、画像認識型無人レジシステムの運用自動化に向けた実証実験を、東芝テックの関係会社であるティー・ティー・ビジネスサービスが運営する「オーバルコート大崎マークイースト事業所内売店」で実施すると発表した。
無人レジで商品の自動認識を画像認識AIで行うためには一般に、あらかじめ商品を多様な条件で大量に撮影し、それらの画像をAIに学習させることが必要といい、無人レジの実現においてこれが最大の課題だという。
両社は、NTTが開発したアングルフリー物体検索技術によりこの作業を削減する実験を行う。
また、消費者が無人レジシステムを利用する過程で、AIの学習に必要な商品画像を自動的に登録し、効率的に学習する仕組みについて検証するとしている。
実験の期間は11月29日から2020年1月31日までの予定であり、対象は東芝テックグループの従業員。
実験内容は、まずカメラ付きの専用台に複数の商品を並べ、画像認識により一括で商品を特定する。
画像情報が無く商品を認識できなかった場合は、利用者が手動でバーコードをスキャンし、これにより画像情報と商品情報を紐付けられるという。これにより、次回以降の購入時には画像で商品が認識可能になるとのこと。
続いて、画像・商品マスターから特定した商品のJANコードを抽出し、二次元コード化する。
この二次元コードをスマートフォンで読み取り、一括でレジ登録を行う。従来のセルフレジの運用である、商品個々のバーコードを探す、またバーコードをスキャンするといった操作を無くすという。
会計は、あらかじめ紐付けた従業員番号に従い、給与引き落としで決済を行う。
この実験において東芝テックは、新形態POSシステムの受容性・業務効率性・事業性の検証、検証環境の構築を担当する。そして、NTT Comは、画像認識機能、追加登録機能の提供、サービスモデル検討、ネットワーク環境の提供を担う。
今後は、同システムの商品化検討を行うと共に、同実験で蓄積した分析結果や知見を流通小売業のその他業務へ応用することについても検討を進めるとしている。