ベリタステクノロジーズは11月28日、小規模な環境とネットワークエッジ向けのデータ保護ソリューション「Veritas Flex 5150 アプライアンス」を発表した。同製品は1Uサイズで、実行サイズ14.5Bのディスクをコンパクトに収容する。一般販売は今年末までに行われる予定。
同社はバックアップ用のアプライアンスのラインアップを複数持っているが、Flexシリーズは、コンテナ技術の採用により、バックアップの集中管理を行う「NetBackupマスタサーバ」、バックアップデータ処理を行う「NetBackupメディアサーバ」、重複排除技術を用いてクラウドにデータをアップロードする「Veritas NetBackup CloudCatalyst」ストレージサーバの3つの機能を備えている。
既に、大規模向けバックアップを対象とした「Veritas Flex 5340」がリリースされており、今回、小規模・エッジを対象とした「Veritas Flex 5150」がラインアップに加わったことになる。
テクノロジーセールス&サービス本部 常務執行役員 高井隆太氏は、「これから、データはデータセンターの外でも生成・処理されるようになる。しかし、エッジや小規模環境におけるデータ保護には、セキュリティ、スペース、ITスタッフのスキル、WAN帯域にまつわる課題がある。Flex 5150はこうした課題を解決する」と説明した。
「Veritas Flex 5150」の詳細については、バックアップ&リカバリーアーキテクトの勝野雅巳氏が説明を行った。勝野氏は、「われわれは元々、小規模環境・エッジ向けのバックアップソリューションを提供しているが、いずれも課題がある」と語った。
例えば、仮想化アプライアンスにおいては、「小規模・エッジにVMware環境があるか」「バックアップ対象のVMware環境にバックアップシステムを構築して安全か」といった課題がある。
IAサーバにNetBackupを構築するソリューションには、「運用のスタッフが配備されているか」「セキュリティは万全か」といった課題がある。
アプライアンス「NetBackup 5240」の14TBモデルの場合、サイズが2Uかつ300TBまで拡張できる仕様であるため、スペースとコストが適さない可能性がある。
勝野氏は、「Veritas Flex 5150」がこうした既存のバックアップソリューションの課題をすべて解決するうえ、さらに「安心」と「柔軟性」を実現すると述べた。
「Veritas Flex 5150」は導入先にVMware環境や高度なスキルを持ったITスタッフを必要としないほか、セキュリティ対策が済んだ専用OSを搭載しているため、WindowsやLinuxのような汎用的なOSより安全だという。加えて、コンテナ技術が採用されているため、複数のバージョンのインスタンスに対応することが可能なため、柔軟な運用を実現する。
「Veritas Flex 5150」の用途としては、小規模環境のバックアップのほか、ディザスタリカバリ、エッジのディザスタリカバリの統合、小規模環境のクラウドゲートウェイなどが想定されている。
「Veritas Flex 5150」はコストパフォーマンスも売りにしているが、同規模の「NetBackup 5240」と比べると、定価で4割程度安くなっているという。加えて、販売拡大に向けて、主要販売パートナーと共同プロモーションを展開する予定だ。「NetBackup 5240」