スパコン最大の学会・展示会「SC19」が開催
Supercomputingの最大の学会・展示会である「SC19」が11月17日から22日にかけて、米国コロラド州の州都デンバーで開催された。デンバーは標高が約1600m(1マイル)あり、Mile High Cityと呼ばれる。
SC19の会場はコロラドコンベンションセンターである。このコンベンションセンターにはガラス壁越しに中を覗き込む青色の熊の彫像があり、ブルーベアと呼ばれて親しまれている。
第25回Green500で1位を獲得した「富岳」プロトタイプ
恒例であるが、11月のSCの開催と合わせてスパコンの性能ランキングとして有名なTop500のリストが公表される。Top500はLinpackという巨大な連立1次方程式を解く性能を競う。これと並んで、Green500というランキングも発表される。Green500はTop500と同じLinpackの性能を競うが、計算性能そのものではなく、計算性能を消費電力で割った計算のエネルギー効率を競う。
性能をあげるため、スパコンをどんどんと大型化してきたため、電力消費も大きくなり電気代も膨大となってきている。これに危機感を抱いたジョージア工科大のWu Feng教授らが計算のエネルギー効率を競うランキングを行えば、少ない消費電力で高い計算性能のスパコンを作るという努力を促進すると考えGreen500というランキングを作った。
今回の第25回目となるGreen500で、電力効率1位を獲得したのは次世代の日の丸スパコン「富岳」のプロトタイプ機である。次の写真はGreen500の1位の表彰式の写真である。この表彰を受けたのは、左から、富士通の次世代テクニカルコンピューティング開発本部のシステム統括部長の清水氏、開発本部長の新庄氏、理研R-CCSの松岡センター長とシステムソフトウェア研究チームの石川リーダーである。そして、並んでいる右端はGreen500創始者のWu Feng教授である。
新製品のFX1000/FX700の発表を祝って、富士通は前夜祭の時に日本酒のこも被りの樽を持ち込んで鏡開きを行い展示ブースに大勢の人を集めていた。聞いたところによると、樽は日本からハンドキャリーで持ち込んだが、中身の酒はコロラド産であるという。