企業をDataOpsで支援するDelphix Softwareは11月27日、ERPやCRMなどのアプリケーションテスト効率を改善するソリューションの最新版「Delphix Dynamic Data Platform(DDDP)v.6.0」を発表した。今回、最新版のリリースにあたり、米Delphix Software アジア太平洋地域 バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーであるリチャード・ガーディス氏の話もあわせて紹介する。

  • 米Delphix Software アジア太平洋地域 バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのリチャード・ガーディス氏

    米Delphix Software アジア太平洋地域 バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのリチャード・ガーディス氏

同社のソリューションは、クラウドおよびハイブリッドクラウド環境内の任意のデータベースからセキュアなデータを提供する機能を有し、テストデータの待ち時間を短縮するほか、アプリケーションのリリースケーデンスも短縮するとしている。

  • 「Delphix Dynamic Data Platform」の概要

    「Delphix Dynamic Data Platform」の概要

効果的なデジタルトランスフォーメーション(DX)には、ソフトウェアの開発を迅速に行うだけでなく、エンタープライズ全体にデータを提供し、それを保護する必要があり、ソフトウェア開発のアジリティ、速度、品質、信頼性の向上のために大半の企業がDevOpsを採用しているが、DXのリーダー企業はデータに関する同様の課題への対応にDataOpsが必要だという。

ガーディス氏は「データは組織の1カ所に集中しているわけではなく、分散しているのが実情だ。アプリ開発のプロセスにおいては、データの扱いが遅れている。安全なデータへのアクセスが遅れてしまうと逆行しかねない」との認識を示す。

その上で同氏は「われわれのプラットフォームは、どのようなソースからでもデータを取得できるのが特徴であると同時に適正な管理を可能とし、アプリ開発の全体的なプロセスを加速することを可能としている。仮想化・軽量化した大量のコピーデータを提供している」とアピールする。

また、コンプライアンスと規制ポリシーの遵守、非本番環境、内部、外部からのデータへのアクセス権限が重要であることから、プロファイリング、ポリシー管理、マスキングを行うことで解決しているという。

さらに、開発者やテスター、アナリストに対して、オンデマンドで個人情報環境のインスタンスを数分で作成できる機能や単一の環境を使用した複数のデータソースへのアクセスに加え、リストアやバージョンブランチ、リセット、ブックマークを実行可能とし、チームメンバとのデータセットを共有でき、アプリ開発を加速するとしている。

そして、ガーディス氏は「開発の速度と効率を向上し、コンプライアンスに準拠できることが強みだ」と述べた。今回の最新版では、Amazon Web ServicesとMicrosoft Azureの既存サポートに加え、Google Cloud Platform(GCP)への配置、仮想化SDK、拡張可能マスキング、DataOps Marketplaceが追加された。

GCPへの配置はデプロイの新機能となり、多様なデータソースセットに対応し、分単位でセキュアなテストデータの提供、センシティブデータの特定とマスキング、マルチクラウドファブリックを通じた集中管理を可能としている。

  • Google Cloud Platform対応の概要

    Google Cloud Platform対応の概要

仮想化SDKはデリバリーにおける新機能であり、任意のデータソース用にプラグインを開発するためにPythonでのプラグイン作成、あらゆる場所からのデータ収集、データの発見、連結、プロビジョニングのための堅牢なAPIをベースに構築できるという。

  • 仮想化SDKの概要

    仮想化SDKの概要

拡張可能マスキングについては管理における新機能となり、TeradataやSAP HANAなどネイティブにサポートしていないデータソースのマスキングを容易とし、サードパーティのJDBCドライバをアップデートしたことでデータソースのマスキングができる。また、マスキングUIを利用してコネクタを設定し、機密情報の特定やマスキングが可能となる。

  • 拡張可能マスキングの概要

    拡張可能マスキングの概要

DataOps Marketplaceは、オンプレミスまたはクラウド内の多様なデータベースセットを対象にデータ提供と開発ワークフローを、迅速かつセキュアに組み合わせることができるかを示すことを目的としている。マーケットプレイスの特徴は「データソースショーケース」「DevOpsおよび自動化ショーケース」「クラウド開発ショーケース」の3つ。

  • DataOps Marketplaceの概要

    DataOps Marketplaceの概要

データソースショーケースはネイティブ統合と仮想SDKの組み合わせにより、あらゆるデータソースを仮想化し、開発チームに配信を可能としている。DevOpsおよび自動化ショーケースはオープンソースのコードパッケージとなり、Delphix APIを使った既存のDevOpsワークフローへの統合を迅速に開始できるという。クラウド開発ショーケースはマルチクラウド環境において、同プラットフォームやAWS、Azure、GCPと相互に利用できる機能を紹介している。

価格はデータ量に応じた個別見積もり、提供形態は1年間のライセンス契約となる。