ピータードラッガーが"企業の目的は顧客の創造"と述べたように、ビジネスパートナーや顧客への営業活動はもちろん、サービスや製品のイノベーティブな創造にも欠かせない。取引先データ、見込顧客情報、未開拓データを統合し、ビジネスパートナーを見つけそのニーズを互いに着実に満たしていくABM(Account Based Marketing)というマーケティング手法が存在している。このアプローチを着実にこなすには、BtoB分野における企業情報の精度がポイントとなる。

ランドスケイプは、日本最大級と自負する法人データベースLBC(Linkage Business Code)を構築しており、精度や鮮度を維持するデータを元にした顧客データの名寄せやマーケティングデータの提供を行っている。このLBCを元に顧客データ統合を行うのが同社のCDP(Customer Data Platform)ツール「uSonar(ユーソナー)」だ。同社では自社の名寄機能を"超名寄"と呼び、他社の機能とは一線を画したものであることをアピールしている。11月に東京ビッグサイトで開催されたIT Week 秋 2019で同製品の展示が行われた。"超名寄せ"とはどのようなものかレポートしてみよう。

  • 「uSonar」 IT Week 秋 2019 ランドスケイプブースより

    「uSonar」 IT Week 秋 2019 ランドスケイプブースより

ランドスケイプが提供する「uSonar」は、同社が蓄積してきた法人マスターデータLBCを活用し、データベースの中に隠れていた情報を見つけ出す。常に更新される最新の企業データを元にした顧客データの一元化、LBCの企業データを活用した新規ターゲットの発掘や市場分析などが可能になる。Salesforceなどに代表されるSFAやCRMなどのマーケティングツールと連携することも可能だ。

法人企業データベースLBC

法人企業データベースLBC

「uSonar」の様々な機能を支えるのが、先述したランドスケイプの法人企業データベースLBCだ。これは、820万拠点、国内拠点網羅率99.7%を誇るデータ。企業の資本関係、本社・事業所関係のグループ情報から収益などのマーケティングデータも集めた企業データベースは、日々、変化する企業情報を元に内容を更新し、最新の状態を保っている。LBCで収集された企業データは、企業与信調査会社が収集する与信データではなく、顧客整備・マーケティングを用途して収集されたもので、営業活動などに最適化されたデータとして提供されている。

「uSonar」の名寄機能は、同社の担当者によれば他者のサービスと違い通常の企業辞書データとの突合いだけでなくLBCという最大級の企業データベースを活用して常に最新情報を維持している点にあるという。これにより、社名変更や企業の統廃合などにも即座に対応ができるという。これらの機能を含めて同社では、この機能を"超名寄せ"と呼称している。

  • 超名寄の説明フリップ。通常の名寄せツールでは不可能な略称名・誤記名で登録された情報を正式な名称に転換するデータ処理や、吸収合併や持ち株会社への移行などの最新の企業系列情報に対応したデータ処理を行うことができる

    超名寄の説明フリップ。通常の名寄せツールでは不可能な略称名・誤記名で登録された情報を正式な名称に転換するデータ処理や、吸収合併や持ち株会社への移行などの最新の企業系列情報に対応したデータ処理を行うことができる

サービスはクラウド上で利用できる。「uSonar」は、企業が持つ系列情報をエクスプローラーのようにツリー上に表示する。企業名をクリックすることで企業の詳細情報を閲覧できる。

  • 「uSonar」は企業情報をツリー構造で表示する。右側が標準のインターフェイス。左側はオプションの「サイドソナー(sideSonar)」の画面

    「uSonar」は企業情報をツリー構造で表示する。右側が標準のインターフェイス。左側はオプションの「サイドソナー(sideSonar)」の画面

APIを活用してSalesforceのSales Cloudやkintone、eセールスマネージャーなどの外部のSFAと連携してより使いやすくしたオプションのサイドソナー(sideSonar)も備わる。

  • SFAの機能を強化したオプションの「サイドソナー(sideSonar)」。Salesforceと連携して活用することができる

    SFAの機能を強化したオプションの「サイドソナー(sideSonar)」。Salesforceと連携して活用することができる

サイドメニューで企業系列の親子関係や対象企業がSFAにすでに登録されているかどうかが一目でわかる。たとえば同一系列の企業内でまだ、営業活動を行っていない企業などの把握が容易になる。

  • それぞれ企業の子会社の関係がアイコンによって一目でわかる

    それぞれ企業の子会社の関係がアイコンによって一目でわかる