花王とPreferred Networksは20日、肌の美容と健康に向けた新たなAI活用プロジェクト「Kao×PFN 皮脂RNAプロジェクト」を開始することを発表した。

  • 「Kao×PFN 皮脂RNAプロジェクト」の体制(花王資料より)

    「Kao×PFN 皮脂RNAプロジェクト」の体制(花王資料より)

化粧品開発の一環で皮脂や皮脂腺に関する研究を長年行う花王は、皮脂の中に人のRNA(リボ核酸)がることを発見し、これを解析する技術「RNA Monitoring」の構築を6月に発表(ニュースリリース)している。

「RNA Monitoring」技術は、あぶらとりフィルムで採取できる身体の負担の少ない試験で1人あたり約13000種類のRNAを抽出、RNAの発現量情報を比較。6月の発表時には、皮脂中のRNA発現情報にアトピー性皮膚炎の肌状態の反映の確認も述べており、膨大な"未具現"が存在する可能性がある情報をPreferred Networksとともに解析する。Preferred Networksは、深層学習(ディープラーニング)の強みを活かし、国立がん研究センターやDeNAとのバイオヘルスケア分野での取り組み実績のある企業だ。

第一弾となるプロジェクトでは、高度な予測アルゴリズムを開発し、"肌測定・解析技術では把握できなかった肌内部の状態"や"将来の肌ダメージのリスク評価"を行うなど肌状態にコミットする美容カウンセリングサービスの構築を目標にしている。2020年から一部機能テストの運用開始を予定している。