Xilinxの日本法人ザイリンクスは、11月20日~22日にかけて神奈川県・パシフィコ横浜にて開催されている組込み総合技術展 & IoT総合技術展「ET&IoT Technology 2019」にて、アクセラレータカード「Alveo U250」を用いて、複数の推論処理を同時に高速実行するデモを行っている。
Alveo U250のデモは、4つのディープニューラルネットワーク(DNN)を並列に処理しても高いパフォーマンスを発揮できることを示す、というもの。具体的には4入力の画像に対する顔検出と、3枚の映像に対する物体認識を同時に実行するというもの。顔検出は4枚ともにおおむね24~30fps程度で、物体認識も3枚ともに22~30fps程度で処理できることを見ることができる。
Alveo U250でも組込用途では高パフォーマンス(消費電力も225W)すぎるのでは?、という気もするのだが、まだ75W対応品である「Alveo U50」が日本にそもそもモノとしてほぼない状況であることから、先行して流通しているU250でのデモとなったそうである。
また、このほか同社ブースでは10月に発表した統合ソフトウェアプラットフォーム「Vitis(バイティス)」の紹介も行っている。
Vitisは、これまで同社が提供してきた高位合成ツール「SDxシリーズ」を統合したもので、同社が従来より提供してきた開発ツール「Vivado」とは系統が異なっている。Vivadoはどちらかといえばハードウェアエンジニアが回路を設計するためのツール、Vitisはソフトウェアエンジニアが、アプリケーションをFPGA上で動かすためのツール、といったイメージとなる。
その特長は「Vitis accelerated libraries」と呼ぶ各種ライブラリの存在。標準API経由でこれらを呼び出すことで、複雑化するシステムの開発を容易化することができるようになる。
ちなみに、Vitisと名称は変わっても、ユーザーインタフェースとしては従来のものと変わりがないので、これまでSDxシリーズを活用してきた人であれば、違和感なく移行できるはずと同社では説明している。