三菱電機とNECは11月19日、三菱電機のFA統合ソリューション「e-F@ctory」における第5世代移動通信方式(5G)活用に向けた共同検証を開始することに合意した。なお、共同検証の第1弾として「IIFES2019」(会期:11月27日(水)~29日(金)、会場:東京ビッグサイト)の三菱電機ブースでハイブリッド5G活用のコンセプトパネル・動画などを出展する。
両社は、工場内ではプライベート網であるローカル5G、工場間・企業間の連携には公衆網の5Gを適用するハイブリッド5Gを活用したe-F@ctoryの実証実験を共同で実施する。今回、製造業における両社の知見を活かし協業することで、5Gユースケースの検証を加速し、Society5.0の実現およびSDGsの達成に貢献するという。
少子高齢化による労働力不足やエネルギー消費増大による環境問題の発生などに伴い、製造業全体の効率化のニーズが高まっていることに加え、顧客ニーズの多様化により、ものづくりは少品種大量生産から多品種少量生産、そして変種変量生産へと移行が進んでいる。
これらに対応するため製造現場では、生産ラインの自動化や可視化、工作機械やロボットの多機能化による柔軟な生産設備の実現など、工場内のスマート化が進められているほか、工場間、そして企業間の高度な連携により、エンジニアリングチェーンからサプライチェーンまでのものづくり全体を最適化することが求められているという。
例えば、ローカル5Gの活用で工場内の多数の無人搬送車をスマートに動かすことができるようになったり、ハイブリッド5Gで工場内の情報と公衆網の情報をつなげることでエンジニアリングチェーン、サプライチェーン全体を最適化したり、需要変動にフレキシブルに対応するスマート生産の実現が期待できるという。
三菱電機はFA技術とITを活用し、開発・生産・保守の全般にわたるトータルコストを削減するe-F@ctoryを提唱しており、AIなどの新技術を積極的に取り込んでいる。e-F@ctoryの進化とローカル5Gでの実証実験を進め、多様化・複雑化する顧客の課題解決に向けて、ハイブリッド5Gを活用したトータルソリューションを提供していく。
一方、NECは通信事業者向けの基地局ビジネスで培ってきた無線技術、ノウハウを活かし、5G基地局を開発し、商用機の出荷を開始したことに加え、ネットワークの強みを活かし、新たな領域におけるサービス事業として「NEC Smart Connectivity」を推進しており、さまざまなパートナーと連携している。さらに、e-F@ctory Allianceの一員として、三菱電機とFA技術とITの連携ソリューションを提供し、生産現場の課題解決に取り組んでいる。