凸版印刷は11月18日、小中高等学校の校外学習向けに、学校と遠隔地を4K映像と5Gを見据えた通信でつなぐ遠隔校外学習支援サービス「IoA学園」を同20日から提供開始すると発表した。価格は1式(表示装置や「仮想テレポーテーション」デバイスなどのレンタル)で15万円(導入するオプションによって異なり、通信費用や送料は別途必要)~。

新サービスは、凸版印刷が2016年から東京大学大学院情報学環 暦本研究室(暦本 純一教授)と共同で研究・開発している「IoA仮想テレポーテーション」技術を活用し、4K映像と5Gを見据えた通信で学校と遠隔地をつなぎ、移動にかかる時間的な制約や身体的な制約を取り払い、子どもたちに幅広い範囲での学びの場を提供する。

  • 「IoA学園」のサービスイメージ

    「IoA学園」のサービスイメージ

これにより、日本国外に加え、これまで人の立ち入ることが難しかった場所への「バーチャル遠足」を簡単に実現することができるという。なお、IoA学園はふたばプロジェクト、NTTドコモの協力のもと、福島県いわき市の「双葉町立双葉南・北小学校」で行われる校外学習「2019バーチャルふるさと遠足」で活用される。

2019バーチャルふるさと遠足は、東日本大震災から8年経つ現在も町内のほとんどが帰還困難区域に指定されている福島県双葉町から避難生活のつづく子どもたちが、ふるさとの現状について知り、復旧・復興に向けた取り組みを学習することを目的にした遠隔授業となる。

今後、凸版印刷は新サービスをNTTドコモが提供する5Gを見据えた通信ならびに5G通信を活用し、福島県内の小中高等学校、約800校を起点に全国に展開。また、IoA仮想テレポーテーションを用いたさまざまな遠隔体験ソリューションを、今後需要が見込まれるスポーツや教育、観光、不動産分野へ導入を進め、2025年度までに関連受注含め50億円の売り上げを計画している。