SCSKサービスウェアは11月11日、コンタクトセンターの運用とともに、企業内で属人化した業務をナレッジ化する「暗黙知使えるソリューション」の提供を開始した。なお、同ソリューションを開発するにあたり、ナレッジの構造化やメタ情報の分類を中心に、情報・システム研究機構 国立情報学研究所の宇野 毅明氏と共同研究を進めている。
国内においては少子高齢化で労働人口が減少し、人材の不足感が年々増しており、製造業など多くの企業では熟練した技術や経験を持つ世代が退職を迎える前に、ベテラン人材のノウハウである暗黙知を可視化し、後任へ継承していくという重要な課題に直面しているという。
こうした状況を受けて、暗黙知の可視化やデータの一元管理、FAQやナレッジの構築のほか、経験タグ(日々の業務の中で蓄積されたコツやノウハウを注釈情報としてデジタル化し、マニュアルや作業書、仕様書、施工書などに追加で付与したタグ)などにより、そうした課題を解決に導く新ソリューションを開発。コンタクトセンターをはじめとした業務運用とともに、同ソリューションを提供する。
主なサービスは「ナレッジの収集と登録」「ナレッジの体系化」「使いやすさや問題解決の精度を検証して反映」の3つ。ナレッジの収集と登録では、一般的なナレッジの収集や不足情報を登録するほか、熟練者にインタビューを実施し、感覚的な経験に基づく問題解決の過程を可視化する。
ナレッジの体系化についてはキーワードやカテゴリー、問い合わせ種別などの分類とは別に、作業工程や問題解決の手順に必要な経験タグを設定することで、特定の状況下における該当ナレッジへの迅速なアクセスを可能にする。
使いやすさや問題解決の精度を検証して反映することに関しては、各コンテンツの取り出し頻度や問題解決の可否、使いやすさ、迅速性などを定期的に検証、分析して、適時修正を行う。
同ソリューションを活用することで、窓口の運用業務だけでなく、バックオフィスでの業務や修理部品の管理・選定、保守作業の遠隔指示や支援も含めた運用業務を一元管理することができるという。