シュナイダーエレクトリックは11月7日、クラウドベースのITインフラ管理ソリューション「EcoStruxure IT Expert」を12月1日に国内で販売開始すると発表した。価格は1デバイス(最小10デバイス)あたり1万円以下となる。
新ソリューションは、2017年に香港で開催したカンファレンス「Innovation Summit 2017」で発表されており、クラウド経由で同社のUPSあサーバラックのセンサをはじめとしたIT環境のインフラ稼働状況や温湿度など環境情報、セキュリティ情報などのデータを収集しい、監視や管理を行うITインフラ管理ソリューション。
常駐のIT管理者がいないオフィスや工場、店舗などのエッジ環境においてもIT設備がリアルタイムでリモートから監視を可能としている。クラウドベースのためアプリケーションのインストールが不要で複雑な導入作業が生じないため簡単に利用ができるほか、サブスクリプションでの提供のため接続機器数単位の課金により、監視対象機器が少ない環境でもスモールスタートができるという。
これまで同社ではデータセンター向けオンプレミスのDCIM(データセンターインフラ管理)として「StruxureWare(ストラクチャウェア)」を提供しているが、クラウドベースの新ソリューションが加わることになる。
主な特徴として、オンプレミス、クラウドとのハイブリッド、分散環境などあらゆるIT環境をリアルタイムで監視し、一元管理が可能なことに加え、ネットワーク接続されたすべての機器についてベンダー問わず状態を可視化する。
また、クラウドベースのアラーム漢詩とプロアクティブなインシデント管理をリモートサイトでも実現するほか、サブスクリプションモデルにより初期投資を抑え、費用面での柔軟性を実現するという。さらに、マルチテナント機能により、パートナーによる運用監視にも対応を可能としている。
リモート監視サービスも提供
同社では新ソリューションで収集したデータをもとにリモート監視する「EcoStruxure Asset Advisor」も12月1日に国内で提供を開始。同サービスは同社の運用監視センター「Global Service Bureau」(グローバルサービスビューロー)の専門家がデータセンターやサーバルーム、エッジなどのIT環境を24時間365日監視する。
機器の異常や不具合を検知した際、プロアクティブにリモートで状態を確認し、同社の担当者が保守契約に基づいて修理交換を能動的に行うことに加え、利用者は専用のスマートフォンアプリを用いることで機器の運転データおよびアラームをいつでもどこでも把握できる。同サービスの修理交換は、まずは同社の三相UPS(無停電電源装置)と空調製品を対象とし、順次対象製品を拡大していく予定だ。
なお、同社は長期間にわたるデータセンター運用管理で収集した膨大なデータと蓄積した知見を活用し、データ分析やデータシミュレーションによるリスクの分析、ラックやフロアのデザインを可能にするソリューションとして「EcoStruxure IT Advisor」の提供を2020年上半期に販売開始を予定している。