NECは11月7日-8日、プライベートイベント「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2019」を東京国際フォーラム(有楽町)で開催するが、11月6日、展示内容がプレス向けに事前公開された。
展示会場は、「Safer Cities(スマートシティ)」、「Value Chain Innovation」、「社会・産業・生活を変革する先進デジタルプラットフォーム」、「未来体験ゾーン」の4つのエリアに分けられ、とくに同社が得意とする生体認証の展示が目立った。
「Safer Cities(スマートシティ)」では、ドライブレコーダーの映像を利用して、補修が必要な道路の場所を特定する道路診断ソリューション「くるみえ for Cities」が参考展示されていたほか、昨日発表された教育クラウド「Open Platform for Education」のブースも設けられていた。
「くるみえ for Cities」は、道路パトロール車などにドライブレコーダーを取り付けて走行し、道路の劣化状態を診断するサービス。映像から「ひび割れ率」や「IRI(平坦性)」などを自動算出する。すでに実証実験を実施済みで、来年には実用化される見込みだという。
「Value Chain Innovation」のブースでは、生産ラインの変更やロボットの遠隔操作の実現など、5Gで変わる未来のものづくり「NEC DX Facyoty empowered by 5G」を展示。実際の展示では、部品投入肯定における複数台の無人搬送者の最適走行のデモや出荷肯定におけるロボットのリアルタイム操作の体験デモを実施していた。
「Value Chain Innovation」のブースでは、モビリティ向けAI評価キット「NEC AI module for vehicle」も参考展示。こちらは、運転者を顔認証し、視線、まぶたの開度などをモニタリングするシステムの評価キットで、アプリ開発などに利用できる。
「社会・産業・生活を変革する先進デジタルプラットフォーム」では、大林組、NEC、大裕が共同開発した、土砂の積み込み作業を自動化するバックホウ自律運転システムを展示。バックホウに大林組と大裕が共同で開発した汎用遠隔操縦装置「サロゲート」を装着し、デプスカメラや積込センシングにより、トラックのどこに積み込むかも判断。全体の通信は、ローカル5Gを利用して行われている。
そして、未来体験ゾーンでは、顔認証を利用を利用した空港での搭乗手続きや税関検査場の電子申告ゲートを展示していたほか、本日発表された歩きながらの本人認証を可能にする虹彩認証技術を展示していた。毎秒1.5mまでの歩く速度に対応するという。
そのほか、無人店舗向けソリューションや空飛ぶクルマ(ドローン)の展示も行われていた。
また、同日の記者説明会では、NEC 執行役員の吉崎敏文氏がDX(デジタルトランスフォーメーション)ビジネス推進のために、新たに5階層の「デジタルプラットフォーム」を整備したことと、10月から新組織の「Digital Business Office」が発足したことを発表した。
「デジタルプラットフォーム」はエッジ、ネットワーク、インフラ(クラウド)、プラットフォーム、アプリケーションの5階層で、ネットワークからアプリまで1つのアーキテクチャで統合したことがポイントだという。
「オープンにシフトした形で、ITの通信の融合を考慮して設計した」と吉崎氏は述べた。
「Digital Business Office」は、100人規模のDXの専任組織で、リードコンサルタント、ビジネスデザイナー、デジタルエキスパートからなる。従来からいるアカウント部門と一緒に行動し、構想段階から実装・運用まで、DX実現をトータルに支援する。
吉崎氏は「Digital Business Officeが新しい加速の原動力になる」と語った。