NTTコムウェアは11月5日、クラウド型フルフィルメントサービスを販売開始した。新サービスは、申込からサービス提供開始までのフルフィルメントに関わる一連の機能をクラウド上で提供することで、企業のビジネススタートまでの期間短縮と効率的なオペレーション実現を支援するというもの。

まずはNTTグループ内から展開した後、一般の企業にも提供範囲を拡大し、2025年には年間売上規模10億円を目標に取り組んでいく。

  • B2B2Xモデルのイメージ

フルフィルメントとは、サービス管理、顧客管理、オーダー受付・管理に関わる業務全般を指す言葉。

同サービスと販売中の「Smart Billing」との組み合わせにより、サブスクリプションビジネスやB2B2X(他企業の顧客向け事業を支援・促進する事業)モデルも含む多様なビジネスにおいて、申込から料金請求までの業務を自動化可能としている。

また同サービスは、NTTグループが取り組んでいる国内事業のデジタルトランスフォーメーション推進の一翼も担っていくとのこと。

同サービスの特徴として同社は、B2B2Xモデルなどの新たなビジネスモデルへの対応、フルフィルメントの業務に必要な機能のクラウドサービスとしての提供、豊富なAPIによる柔軟性及び拡張性の実現、テレコム業界の豊富なノウハウ・実績の4点を挙げる。

新たなビジネスモデルへの対応に関して、B2B2Xモデルでは、B2B2Xモデルのビジネスを展開する協業パートナーとサービス提供者との間及び、サービス提供者と顧客との間に生じるフルフィルメントに関する業務プロセスの管理が必要になるという。

同サービスでは、テナントごとに各社に応じた商材卸会社や販売代理店といった役割を持たせることで、これら一連の取引を一元管理可能とのこと。 これにより、企業はB2B2Xモデルのビジネスやマーケットプレイスを容易かつ柔軟に開始できるとしている。

クラウドサービスとしての提供について、同サービスはサービス管理、顧客管理、オーダー受付・管理などのフルフィルメントに関わる一連の機能を、クラウド型で提供するとのこと。

これにより、企業は自前でシステムを用意する必要が無くなり、短期間かつ低コストでのビジネス立ち上げが可能という。 また、商品・サービスを販売する売り切り型のビジネスへの対応に加え、サブスクリプションビジネスにも対応し、サブスクリプションビジネスを支援するという同社の料金請求プラットフォームであるSmart Billingとの連携が可能としている。

両者を組み合わせて利用することで、さらに料金請求、回収を含めた一連の業務を実施できるという。

  • 提供イメージ

APIによる柔軟性及び拡張性については、同社が提供するAPIの活用により、自社のCRMやERPなどの既存システムや、他のクラウドサービスとの連携を柔軟に実現できるとしている。

ノウハウと実績に関して、同サービスは、TM Forum(TeleManagement Forum)に準拠し、各種調査会社から高い評価を得ているという蘭BearingPoint//Beyondのパッケージソフトウェアである「Infonova」を基盤に採用し、NTTコムウェアのクラウドサービス構築技術及びフルフィルメントのノウハウ・実績を加えたクラウド型サービスだとしている。

同社は同サービスについて、今後も多様なサービスの追加を行い、機能強化を図っていくという。

具体的には、他社サービスとの連携によるビジネスの一体提供や、AI(人工知能)やボットを利用する機能などを提供することで、企業の新たなサービスの立ち上げと、デジタルトランスフォーメーションを通じたより一層の業務プロセスの効率化・高度化実現と利用企業の事業拡大に貢献していくとのことだ。