「ミイラ」とはいったい何なのか?。その謎に科学的に迫る特別展「ミイラ ~ 『永遠の命』を求めて」が東京上野の国立科学博物館(科博)にて2019年11月2日から2020年2月24日にかけて開催される。
国立科学博物館 人類研究部 人類史研究グループ 研究主幹の坂上和弘氏は、今回の特別展について「ミイラに対して一般的に抱かれるイメージの多くは『気持ち悪い』や『怖い』だが、実はすごく壊れやすい。ちょっとでも温度を上げると壊れるくらいもろい。それを守ってきたのはどういった人たちなのか、死とは何か、そういったことを含めて、ミイラというものはいったい何なのかを知ってもらいたい。ミイラということで、インパクトが強く、気分が悪くなる、というところもあるかもしれないが、すべてを通して見てもらえれば、特別展として、何を伝えたかったのか、を分かってもらえると思う」と概要を説明。世界から集合したさまざまなミイラについて、科学の力を活用して見えた実像を通して、その存在の意義について理解を深めてもらいたいとする。
ミイラというと、中南米やエジプトのイメージが強いが、今回の特別展では、欧州や日本、オセアニアのミイラなども展示されている。展示は大きく「南北アメリカのミイラ」「古代エジプトのミイラ」「ヨーロッパのミイラ」「オセアニアと東アジアのミイラ」の4章構成となっており、それぞれの地域でどのようにしてミイラが生み出されたのかといった文化的背景や、ミイラの作り方の変遷なども知ることができる。
また、科博 特別展おなじみの音声ガイド(有料)は、全編を通して大沢たかお氏が担当するほか、同特別展の監修者である坂上氏や同じく科学博物館の副館長 兼 人類研究部長である篠田謙氏も特別解説員としてミイラ研究についての説明に登場する。音声ガイドでしか聞けない内容説明などもあるので、来場の際には借りて場内を回ることをお勧めする。
このほか、第2会場へ向かう途中には、これも特別展お約束の撮影スポットがある。今回は古代エジプトのミイラになってみよう、といったコンセプトで、ネメス(頭巾)、ヘカとネヘハ(いわゆる王杓)をあしらったパネルが用意されている。また、今回の特別展では、休憩スペースが第1会場の途中に用意されており、その奥に、自分の顔をベースにミイラのマスクをデザインしてくれる「ミイラマスクチェンジャー」が設置されている。ベースとなるデザインは2種類で、出来上がったデザインはQRコードでダウンロードすることができる(会場内は写真撮影、スマートフォンの利用が認められていないが、ここのスペースのみは使用が可能)。ただし1台しかないので、混雑時には行列ができる可能性もあるので、注意しておく必要があるだろう。
なお、同特別展の概要は以下のとおりとなっている。
- 入場料(当日券):一般・大学生1700円、小中高校生600円(未就学児ならびに障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料)。当日割引券として、小中高校生2名以上の同時入場限定の「小・中・高校生グループ券」が1人につき500円、平日の15時以降に販売かつ当日入場限定の平日アフター3券が一般・大学生1500円、小中高校正500円でそれぞれ発売予定。このほか、「ゴッホ展」「日本・オーストリア友好150周年記念ハプスブルク展〜600年にわたる帝国コレクションの歴史」との相互割引も有り
- 会期:2019年11月2日~2020年2月24日
- 開館時間:9時~17時(金曜・土曜は20時まで。入場は各閉館時刻の30分前まで)。11月3日は20時まで開館、11月4日は18時まで開館
- 会場:国立科学博物館(東京・上野)
- 休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日。ただし2月17日は開館)および12月28日~1月1日(開館時間や休館日はいずれも2019年11月1日時点の情報)