シスメックスとオプティムは11月1日、デジタル医療の事業化を加速することを目的にデジタル医療に関するプラットフォームとアプリケーションを活用したソリューションサービスの企画、開発、運営を担う合弁会社の設立を目指すことに基本合意した。

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    プラットフォームのイメージ

近年、ゲノムに関する医学的研究の進展により、病気と遺伝情報の関わりが急速に明らかにされつつあることに伴い、患者が有する遺伝子レベルでの違いや異常を把握することにより該当疾患に対して個別化された治療、予後管理を提供するのみならず、患者が有するその他疾患リスクを考慮した、医学的支援が可能になると想定されている。

これに対応するため、患者が健康な時点から罹患後の検査・診断、治療、再発・重症化防止、終末期までのプロセス(Patient Journey)における情報を管理し、適切な支援を可能とするプラットフォームおよびアプリケーションから構成されるデジタル医療のニーズが急速に高まっているという。

これまで、両社は先端医療分野において、シスメックスが持つ医療分野における豊富な知見やグローバルな販売・サービスネットワークと、オプティムのAI・IoTサービスや技術、実用化ノウハウを融合し、医療機器をネットワークに接続することで得た情報をAIが解析するオープンなプラットフォームを用いて、新たな医療ITソリューションの早期開発とグローバル展開を目的とした包括的な業務提携について昨年2月に合意し、共同で取り組んできた。

具体的には、遺伝子検査の画像情報とAI解析を組み合わせた新たな診断法の開発および実証検証に加え、シスメックス社製検査機器から収集した様々なデータをAIにて画像処理することで、故障予知などを行うAI・IoTを融合したサポート機能の検討に取り組んでいる。

今回、両社は次世代の医療・診断を支えるデジタル医療の事業化を加速することを目的に、デジタル医療に関するプラットフォームのみならず、アプリケーションを活用したソリューションサービスの企画、開発、運営を担う合弁会社の設立を目指すことに基本合意した。

合弁会社は、これらの提供に加え、製薬企業、医療機器メーカーなど、さまざまなプレーヤーと連携し、各社が提供する治療アプリケーションをプラットフォーム上に搭載することで、医療ITソリューションのエコシステムの形成を目指す。なお、両社は2020年1月の合弁会社設立に向けた検討を行うとともに、一部の製薬企業、医療機器メーカーとは治療アプリケーションのプラットフォームへの搭載について協議を進めている。