、10月20~24日にコロラド州デンバーで開催した「Teradata Universe 2019」において、統合型分析プラットフォーム 「Teradata Vantage」をクラウドファーストで提供する姿勢を全面的に打ち出した。
米Teradataは、10月20~24日にコロラド州デンバーで開催した「Teradata Universe 2019」において、統合型分析プラットフォーム 「Teradata Vantage」をクラウドファーストで提供する姿勢を全面的に打ち出した。
2019年1月に同社CEO(最高経営責任者)に就任したOliver Ratzesberger氏は、「Teradataのビジョンは『As a Service』ですべての機能を提供する『サービス カンパニー』になることだ」と明言。「分析“技術”ではなく、分析"解"”に投資しよう」と訴えている。
同時に販売モデルも、既存の売り切り型販売モデルから、クラウド前提のサブスクリプションモデルに変更している。とはいえ、販売モデルの変更には、それなりのチャレンジが伴うようだ。こうした課題をどのように解決していくのか。Teradata Universe 2019期間中、Ratzesberger氏は日本メディアの取材に応じ、クラウドファースト戦略やVantage訴求の方針などについて語った。
--販売モデルの変更に伴うインパクトについて教えてください。Teradataはこれまでの売り切りモデルからサブスクリプションモデルへと移行しています。年間の売上額を見ると、サブスクリプションモデルに変更した時期から売上額が減少しています--
Ratzesberger氏: 3年前、われわれは「Teradata Everywhere」というコンセプトを打ち出し、マルチクラウド上で「Teradata Database」を利用できるようにしました。同時に、ビジネスの方向性を「技術フォーカス」から「ビジネス・フォーカス」に変更し、プロダクトのバンドリングやサブスクリプションモデルの追加、そして会社ロゴも刷新しました。
確かに売り切りモデルからサブスクリプションモデルにしたことで、一時的な売上は減少しました。一般的に(同じ機能を)サブスクリプションモデルで提供した場合、最初の3年~5年程度は売上が減少し、一時的に利益率も低くなる傾向があります。
しかし、長期的視点で見れば(一時的な利益率の低下は)まったく心配する必要はありません。むしろ、売り切りモデルよりは安定した利益を獲得できると考えています。
サブスクリプションモデルは顧客に受け入れられています。2017年における新規ブッキングのサブスクリプションモデルの売上は全体の3%でしたが、2018年には33%にまで成長しています。さらに2019年第2四半期は、売上げの90%がサブスクリプションモデル(新規ブッキング)です。
--データ分析プラットフォームのクラウド提供が主流になると、さまざまな機能を迅速に追加する必要があります。現在提供している機能のほかに、拡充させたい機能はありますか?--
Ratzesberger氏: Teradataはクラウドファーストでサービスを提供する「サービスカンパニー」に変貌を遂げています。昨年発表したVantageは、その(変貌)ビジョンを実現する"ステッピング ストーン"の1つであり、2020年にはVantageの最新版とともに、クラウド機能をさらに拡充していく計画です。
「Teradata Universe 2019」ではビジネスユーザー向け分析支援サービスの「Vantage Analyst」や「Vantage Customer Experience」、開発者向けのAPI(Application Programming Interface)カタログである「Vantage Developer」を発表しました。いずれもVantage上で展開するものです。
「Vantage Developer」にはパートナー(企業)の開発者がVantage上で利用できるアプリ開発のツールがそろっています。Vantageを核としたエコシステムを考えた場合、アプリケーションが増加すれば、Vantageを利用する企業にも、アプリを開発した開発者にもメリットがあると考えています。