現在、社内イントラネットやWebサイトのFAQ、見込み客獲得のためのマーケティングツール、コミュニケーションのためのチャットツールなど様々なビジネスシーンでAIチャットボットが活用されはじめている。サービスのユーザーとして、または企業内での従業員として利活用する機会も随分増えたのではないだろうか?
エンジニアの採用育成支援プラットフォーム「track」なども運営するギブリーは、デジタルマーケティング分野でチャットボットツール「SYNALIO(シナリオ)」を開発運営しているが、昨年9月に"業務コミュニケーションの生産向上"を掲げローンチしたクラウド型AIチャットボットツールが「PEP(ペップ)」。同社ではPEPが作成するチャットボットを"AIアシスタント"と呼んで、業務改善や社内業務改善のアシストに大きく貢献していることをアピールしている。
幕張メッセで10月23日から24日まで開催された展示会2019 Japan IT Week 秋のギブリーのブースでPEPのデモとセミナーが開催された。「PEP」とはどのようなものかブースの模様をレポートしてみよう。
「PEP」はチャットボットの分類でいうところの「選択肢(シナリオ)型」、「一問一答型」、「有人対応型」の3つ類型に対応。加えて会話された内容を解析し、チャットボットの利用率、会話数、ユーザーの問題をどの程度解決できたかを表す解決率などの情報を表示できる機能も有している。
SlackやLINE WORKS、マイクロソフトのグループチャットMicrosoft Teamsと連携、社内イントラや他のグループウェアやWebサイトなどに設置可能で、何台AIアシスタントを作成しても料金は変わらない。総務用、人事用、情シス用など無料テンプレートも用意されており、規定や書類の保存場所、申請フォーマットやナレッジデータなどオフィス内の問い合わせを機械学習による自動化で解決するスキームを構築できる。
問い合わせをするユーザーと同じ問い合わせに疲れてしまうバックオフィス部門と社内で行われる応対や資料探し。これらに費やす時間が多いことはよく指摘されることだが、単純に時間やコストの問題だけでなく、どこで何を聞けば良いのか?広く相談の窓口があること、そしてその精度が機械学習で向上していくことは、安心感にも繋がるはずだ。
特徴の一つであるAIアシスタントのシナリオ作成機能を見てみよう。直観的に理解できるシナリオエディタは、左サイドに表示される命令パーツをドラッグ&ドロップして配置し、ノードスタイルでシナリオを作成する。シナリオには総務用、人事用、情報システムなどの業務に適合した無料テンプレートも用意されおり、これらをノンプログラミングで作成できる。
そしてもう一つの特長がビジネスハブ機能(iPaaS)だ。外部のMA(マーケティングオートメーション)やCRM(顧客関係管理)、勤怠管理などのソリューションやクラウドクラウドサービスとAPIで連携し、チャットボットからサービスを活用できる。連携により、チャットボットに欲しい情報を入力すると、APIを通してボットが外部サービスからデータを取得し、表示することができるようになる。同社の担当者によれば、顧客の名前をチャットボットに入力するだけでセールスフォース(Salesforce)にログインせずに顧客に関する詳細情報をチャットに表示させるといった使い方もできるということ。