Google Chromeチームは先日、Chromeの最新版となる「Google Chrome 78」のロールアウトを開始した。多くのユーザーがすでにこのバージョンを使っているはずだ。このバージョンは37個の脆弱性を修正したバージョンとして注目されているが、実験的な機能として「強制ダークモード」が搭載されている点にも注目しておきたい。ユーザーの反応によっては、今後、簡単に利用できる機能となる可能性がある。
現在はWindows 10、macOS、Android、iOSのどの主要オペレーティングシステムにも「ダークモード」またはこれに類する機能が搭載されている。これはカラーテーマを黒基調に変更するもので、「目に優しい」「バッテリーの持ちが良くなる」というメリットがもたらされるとして人気がある。
しかし、この機能は現在のWebページとは相性が悪い。Webページは背景色が白であることを前提として作成されていることが多く、OS側のダークモードを有効にしてもWebページは白ベースで表示され、かえって見にくかったり、ダークモードの意味があまり発揮できなかったりといったことがある。Webページ側がOSの設定に合わせてカラーテーマを変えることもできるのだが、その機能を実装してWebページはまだそれほど多くないのが現状だ。
そこで、「強制ダークモード」を利用するシーンがの登場だ。この機能は、Chromeが強制的にWebページのカラーテーマを黒基調に変えるというもの。まだ実験的な機能だが、今後の開発でより扱いやすくなる可能性がある。機能はchrome://flagsで実験機能を表示させ、「Force Dark Mode for Web Contents」という機能を有効にすれば利用することができる。
先程のページは強制ダークモードを有効にすると、次のように表示される。画像の表示などで逆にロゴやサムネイルが目立ってしまっているが、全体として黒基調に切り替わったことを確認できる。
強制ダークモードの有効無効が簡単に切り替えられるようになれば、利用している状態に合わせてより扱いやすい表示を選択するといったことができるようになる。この機能は、スマートフォン向けのChromeで扱いやすさが顕著に現れる可能性がある。今後、この機能がどのように変遷していくことか注目したい。